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“ずさんなF1”訴訟─富士スピードウェイに反省の色なし
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2007年9月に富士スピードウェイで開催されたF1日本グランプリのずさんな運営により、「劣悪な環境の中
長時間のバス待ちを余儀なくされ、精神的苦痛を受けた」として損害賠償を求めた裁判の第一回口頭弁論が、
8月5日11時から東京地裁705号法廷で行われた。
なお、被告である富士スピードウェイは欠席し、被告側弁護士のみが出廷した。
(中略
被告は請求を棄却することを求めた。
答弁書で、原告109名中72名に対して観戦チケットを直接販売をしたことを認めたものの、「本件F1グランプリを
観戦しに行った者であるかどうかは知らない」とし、F1グランプリのチケットは「譲渡可能な無記名有価証券の一種」
であり「『観戦しに行った者』が誰であるかは被告の知るところではない」などと主張し、入口の議論に終始した。
また被告は、訴状に記載された予選日・決勝日の状況については「実態を誇張している」と主張。
さらに原告がインターネットを通じて集まったことなどから「総勢109名にのぼる原告ら全員をまったく同じ経験を
した者として一律に扱うのは杜撰」として原告を批判した。
これに対し原告側弁護士が「(原告)全員が一切被害を受けてないと言い切れるなら、否認すればよろしい」と詰め寄り、
被告側弁護士が黙るという場面も見受けられた。
(中略
「想定を超える悪天候に見舞われた特殊事情」があったと責任逃れしようとする被告答弁書に対し、法廷後原告の
一部からは「あの程度の雨が降ったレースならいくらでもあるよ」「霧雨・小雨だったよね」「集中豪雨があったわけでも、
台風が直撃したわけでもないのに」といった声が聞かれた。
再三マスコミを通じ昨年の運営は失敗であることを認め、今年は「カイゼン」により万全であることをアピールしていた
富士スピードウェイが、法廷では一切責任を認めようとしない態度に、傍聴席からはたびたび失笑が漏れた。
次回の弁論は9月25日11時30分、次々回は11月6日11時30分、東京地裁で行われる。