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中日はセ・リーグ再開後に１２試合消化して連勝なし。２度の４連敗を喫するなど
坂道を転がり落ちる一方。常勝軍団に一体何が起こったのか？ その裏には
ナインをしらけさせた落合博満監督（５４）のあるコメントがあった。
それは６―３で勝った６月９日の楽天戦（ナゴヤドーム）後のこと。この日２安打、
３打点でヒーローになった英智について問われた落合監督は「打ったことより、
あのセンターフライを捕れ」と守備に注文をつけ始めた。
やり玉に挙げたプレーは３―０とリードして迎えた六回一死二塁の場面で起きた。
楽天の高須が放った打球は中越え適時二塁打になった。竜ベンチは直後に
先発の山本昌から吉見にスイッチしたが、踏ん張れずに同点。山本昌の白星が消えた。
指揮官は「３点分はあった。捕れるボール。あいつの能力からすればな」と、
まるで英智が全力プレーしていなかったように批判した。
選手をかばうことはあっても非難することはなかった指揮官が珍しくいらだちを
隠せなかった。だが問題のシーンでベンチは外野に前進守備を指示していた。
落合監督の発言を知らなかった英智は試合後「僕の能力では無理。打ち取った球を
捕ることに専念していた」と話した。守備位置より前に飛んでくる打球を強く意識していた。
チーム内で「あれを捕れ、というのは酷」との意見が圧倒的に多かった。
「（監督は）前進守備というのを知らずに発言したのかな」という声もあった。
翌々日（１１日）からチームは３連敗。その後に６連勝して立ち直ったようにみえたが、
リーグ戦再開後は大失速。３位まで一気に沈んだ。
コメントに細心の注意を払ってきた落合監督らしからぬ失言が、数々のピンチを
切り抜けてきた選手の底力を奪ったといえるかもしれない。（高柳 隆）
TITLE:名古屋タイムズ
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