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乱歩が歌舞伎になる--。大正から昭和にかけて活躍した日本の推理小説の
先駆者、江戸川乱歩の「人間豹」が、松本幸四郎(65)・市川染五郎(35)の
コンビで歌舞伎化されることが10日、分かった。11月に東京・国立劇場で
上演される。
「黒蜥蜴」「少年探偵団」など映画・舞台・テレビ化された乱歩作品は多いが、
歌舞伎として取り上げられるのは初めて。「人間豹」は、月刊誌「講談倶楽部」の
昭和9年1月号から10年5月号まで連載された人気小説。
青く光る不気味な眼と肉食獣猫属特有のざらついた舌を持ち“人間豹”と
呼ばれる殺人鬼・恩田と、名探偵明智小五郎が対決するサスペンスものだ。
カフェーで働く弘子とレビューガールの蘭子という2人の恋人を恩田に惨殺され、
自らの命も危険にさらされた青年・神谷が明智に助けを求めるという筋立て。
これを、幕末に時代を置き換え、「江戸宵闇妖鉤爪(えどのやみあやしのかぎづめ)
-明智小五郎と人間豹-」のタイトルで、スリリングな舞台に仕上げる構想だ。
脚本は歌舞伎作家の岩豪友樹子さんが現在執筆中で、幸四郎が明智、
染五郎が恩田と正反対の立場の神谷にあたる人物の2役を演じる。
最後は、染五郎が宙乗りを見せる予定だ。
その染五郎は、「乱歩の世界を歌舞伎化するという約15年間温めてきた夢が
実現することに、とても興奮しています。インテリな匂いとモダンな美しさを
感じていただける歌舞伎になることを目指して勤めたいと思います」とコメント。
第1回コクーン歌舞伎に参加したころ、「将来、何か新しいものをできないだろうか」
とアンテナを張り巡らせていたところ、乱歩の魅力に引き込まれたという。
「色彩的な美しさもあって、歌舞伎の様式美に置き換えられる世界だなと
漠然と思っていました。この作品は劇中劇もあって、いろんな歌舞伎の
手法が浮かんでくる」と今から胸を躍らせている。
ソース・詳細はURLリンク(www.tokyo-np.co.jp)