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英紙フィナンシャル・タイムズは4月、「奇妙なことが進行しつつある」と、MLSの
人気を分析した。同紙によると、成功をもたらしたのは「ベッカムというよりは、
移り変わる米国社会自身」だという。
現在の米国サッカーファンは2つに大別される。ひとつは70年代から青少年
スポーツとして盛んとなったサッカーを楽しんできた若い世代。郊外に住む
中流白人家庭の子供たちが多い。もうひとつは、もともとサッカーが盛んな
中南米からの移民たちだ。
いずれも人口集団として増加傾向にあり、同時に米社会の伝統にとらわれない
新しい価値観の持ち主でもある。同紙は、この両者がようやく米国に根を下ろし
つつあるサッカー人気を支えている、と分析した。
70年代にはペレ、ベッケンバウアーら当時の超一流選手をそろえた「北米サッカー
リーグ」の挑戦があったが、結局消滅した。中南米からの移民にはアピールした
のだが、それ以外のファン層を生み出せなかったのが最大の原因だった。
それから4半世紀。「移民層が重要なファンであることは変わらないが、米国生まれの
2世、3世が増え、白人や黒人の若者たちと混じり合って応援するようになった」と、
ギャラクシーで広報担当を務める尹庸哲氏は分析する。
移民層だけに頼った北米リーグとは対照的に、MLSは社会構成の変化をにらみつつ、
民族や社会階層を横断する形で成功を手にしつつある。その意味で、移民たちに
故郷を思いださせる中南米からのスターではなく、ベッカムという英国のスターが
今回の成功の起爆剤となったことは、象徴的といえる。
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