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興行収入50億円突破は確実な勢いで、苦境続きの東映にとっては救世主に。
そのウラには、どんな仕掛けがあったのか。
今年は、どの作品も興収10億円前後と伸び悩む中で「相棒」だけが好調だ。
1-6日には全国で125万5000人を動員して、興収15億2377万円。
客層はドラマの視聴者層の30、40代だけでなく10代から60代まで幅広い。
東映邦画系で過去最高の興収51億1000万円を稼いだ「男たちの大和/
YAMATO」と比べ、現時点での興収比で238.7%と50億円突破は確実。
東映は当初「まず30億円。50億円は高い理想」と控えめだったが、この快調
ぶりに和泉聖治監督は「相棒」のシリーズ化をぶち挙げているほどだ。
ヒットを導く土台はあった。もともとテレビ朝日の看板ドラマとして人気が定着、
最新シリーズの平均視聴率は18.3%(ビデオリサーチ、関東地区)と固定ファ
ンが見込めた。さらに、25年ぶりの映画出演となった主役の水谷豊(55)が
「怒濤のプロモーション活動」(映画関係者)で後押しして浮動層をも取り込んだ。
「シャイな水谷さんは若いころ、大のインタビュー嫌いで知られていた。だが、
今回はスタッフの懸命の説得もあり、意気に感じて『覚悟した』と積極的に宣伝に
協力。テレ朝はもちろん、NHKやTBSでは昔のヒット曲も歌ってみる大サービス
ぶりだった。めったにバラエティーや音楽番組に出ない水谷さんだからこそ効果
も倍増。これで10億円は上積みした」(ライバル社の邦画宣伝マン)
何よりも作品自体にパワーがあったというのは、映画ライターの安保有希子さん。
「現実の事件を連想させる重厚なストーリーにファンは満足した。重いだけでなく、
水谷・寺脇(康文)の掛け合いが生み出す面白さとのバランスがいいし、人気先行
の俳優ではなく西田敏行、津川雅彦ら芸達者を脇に起用したのも心憎い」
刑事ドラマの映画化ではフジテレビの「踊る大捜査線」に一日の長がある。
「『踊る-』は軽妙さが持ち味の織田裕二ムービー。映画としての懐は硬軟のバラ
ンスが取れた『相棒』の方が深い。刑事ドラマに手慣れているテレ朝の巧さ」と安保さん。
ソース:URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)