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渡哲也“男の約束”で東郷平八郎役演じる
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俳優渡哲也（６６）が８年越しの約束を守った。ＮＨＫスペシャルドラマ「坂の上の雲」
（来秋放送開始）のキャスト発表が４日、収録先の神奈川・横須賀市内で行われ、
渡が東郷平八郎を演じることが発表された。渡は７年前、同ドラマの脚本を手掛けた
野沢尚さん（享年４４）から「東郷役をぜひ演じてほしい」と直接ラブコールを送られていた。
しかし、野沢さんが０４年に亡くなったこともあり、同ドラマの制作開始が大幅に遅れていた。
渡は野沢さんの熱い思いに応え、あらためて届いた出演依頼を快諾した。
２人の出会いは０１年テレビ朝日のドラマ「反乱のボヤージュ」。渡が主演を務め、
原作者の野沢さんが脚本も手掛けた。収録終了後も親交は深まり、食事を共にする
機会もよくあった。ある日、野沢さんが「坂の上の雲」を手掛けることになったことを渡に明かし、
「東郷役は渡さんしか考えられない」と熱っぽく語ったという。
東郷は明治時代、日本海軍のカリスマ的存在だった名提督。連合艦隊司令長官として
日露戦争中、当時屈指の強さを誇ったロシア海軍を日本海海戦で破ったことで知られる。
抜群の存在感を持つ渡が配役されたことについて、連合艦隊参謀の秋山真之役として
主演を務める本木雅弘（４２）も「渡さんのようなすごいキャリアを持つ方とご一緒できて光栄です」
と話した。
会見は横須賀市内に保存されている戦艦「三笠」の艦内で行われた。同艦は日露戦争時、
連合艦隊の旗艦だった。渡は、日本海海戦の開戦に際し、東郷が大本営に向けて打電させた
名文句「本日天気晴朗なれども波高し」を言い換えた「本日天気晴朗なれども撮影長し」と
あいさつで取材陣を笑わせた。３部作となる同ドラマは渡の言葉通り、１０年まで収録が続く。
［2008年3月5日8時6分 紙面から］