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>>321の続き
転落はゆっくりと訪れた。13歳のときにポワシーで、FCソショーの関連会社が運営する定評あるサッカー学校に入った。
脚は短かったが、それまでは並外れた技術力でカバーしていた。しかし、ここでは「プロ」になるための基礎をきっちり身につけろと言われた。
自宅から1時間のところにある寮で過ごした最初の1年間が、結局は彼にとっての最後の年になった。
自分の基準を見失ったフレデリックは、実力が同レベルのチームメイトにさえ追いつけなくなり、学校の成績もがた落ちになった。
サッカー集団の中の彼は、もはや凡庸な存在でしかなかった。「悪夢だった」と、彼は語る。
「それまではサッカーこそが自分そのものであって、幸福感に満たされていた。
自分は成功者であり、未来は約束されていた。なのに、思春期の真っただ中で自分なんてたいしたことがないと気づいてしまったんだ」。
しかし、周囲の目にはそうは映っていなかった。
両親やその友人、教師、仲間たちは、彼がどの辺まで駆け上がったのかをしょっちゅう尋ねてきた。
何年かの間は夢を追い続けているふりをしていたが、やがてそれもやめた。
フレデリックは現在25歳で、石工をしている。日がな一日マリファナ煙草を吸い、週末は家に閉じこもって過ごす。
もうサッカーの試合を見ることもない。幼年時代に満ちあふれていた気力は二度と取り戻されることがなかった。
「周囲の人々は、僕のことを第一に何もできなかったやつだと見ようとする。
哀れみの眼差しを向けるか、僕が成功できなかったことをほくそ笑んでいるに違いない。
黄金の子ども時代が足かせのようにまとわりついてくる」。
彼のケースは特殊どころかありふれている。
どんな村にもクラブチームにも、学校にも小さなスター選手がいて、スカウトマンのメモ帳にはすべて漏れなく書き留められている。
才能ある少年探しは熾烈を極めているのだ。