08/02/04 11:54:30 JkzbY2DKO
当時小学生だった俺たちは、友達と３人でプロ野球の楽天のキャンプを見に行った。
俺達は別に応援していたわけじゃなかったけど、たまたま近所に来たから行ってみたのだ。
せっかく来たので、サインをもらおうと練習が終わる頃を見計らって選手が歩いてくる通路で選手を待った。
すると体格がいい背もデカイ爺さんが、記者みたいな人の集団を引き連れてこちらに歩いてきた。
「う～ん。睡魔が襲ってくる。１２月、１月と休んでいないから、ここに来て疲れが 出てるのかな」と、なにやらブツブツ言っている。
おい！あれ野村監督だぜ
ぼやいてるよ
サインもらおうぜ！と横にいた友達が言った。
間近で見る白髪の野村監督は巨大だ
俺は意を決して 「サイン下さい」と怖ず怖ずと頼んだ、すると
「サイン、コサイン、タンジェント！ 君がサイン、君はコサイン、君はタンジェントと
言ってみろ！」と野村監督はニヤニヤしながら言ってきた。
記者みたいな人達から爆笑が起こった。
さ、寒い・・。ひょっとしてギャグのつもりなんだろうか。。。
二月の外気の肌寒さがいっそう寒くなった気がした。
俺達は苦笑して３人目を合わせると、順番にサイン コサイン タンジェントと言ってあげた。
すると野村監督はご満悦な様子でスラスラとサインを３人に書いてくれた。
記者を引き連れて去っていく野村監督の大きな背中を眺めながら友達が、面白いオッサンだなとポツリと言った。
俺達は監督のつまらないなりに頑張った気さくなコミュニケーションに、子供心にうれしい気分になったのだった。
なおサインは捨てた