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◇そのノブは心の扉 連載・第70回 (1/2)
切れ痔 劇団ひとり
いきなり汚い話で恐縮ですが、お尻の穴が切れました。いわゆる切れ痔です。
何となく切れ痔と言うと、場所が場所だけに何だか軽く見られがちであまり深刻な病気として認知されて
いないような気もしますが、重度の切れ痔となると便器が真っ赤になるほど出血することもあるらしいので、
しっかりとした治療が必要です。
僕の場合はまだ軽度なのですが、それでも排泄のたびに肛門へ走る激痛は言葉になりません。
言葉通り肛門が切れるわけですが、それは一度ならず排泄のたびに治りかけていた傷口が開いてしまうわけです。
仮に2週間ぐらい排泄をしなければ傷口も完全に治るのでしょうが、便秘気味の僕もそこまで出ないという
ことはないので、治りかけの傷口が開いてしまうのを覚悟で排泄するわけです。
したいけど、したくない。
切れるのを承知でする排泄ほど空しいものはありません。
排泄はなるべく慎重にゆっくりと出します。
恐怖心があるのはもちろんですが、切れないようにすることが目的です。
ギュッと力を込めて出口を細くして、それ自体を細くして出そうとするのです。
しかし、理論的には正しいのですが現実的には上手くいきません。
出口を細くするタイミングと噴射する速度が合わず、何度も挑戦しましたがその努力の甲斐空しく、
幾度もダムは決壊され続けました。
治すためには薬を塗ることはもちろん、清潔に保つことが大切らしいので、
終わった後は必ず洗浄便座で洗うのですが、これが最も辛く苦しい作業であります。
放たれた温水が傷口にしみて地獄のような痛みが肛門を襲います。
この痛みを経験すれば分かりますが、きっと『拷問』の語源は『肛門』に違いありません。
大の大人が家のトイレだろうと公衆便所だろうと「あうぅ!」とうめき声を抑えきることが出来ないほどに痛むのです。
>>2以降に続きます。
ソース:週刊文春 1月24日号 95ページ (エマニエル坊やがテキスト化)