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高校サッカーの準決勝（６日）を国立競技場で観戦してきた。ピッチの選手たちを
見ていると、うらやましかった。僕は清水商時代、夏の高校総体、秋の全日本ユースで
何度か日本一になったが、国立でプレーすることも、ましてや選手権で優勝することも
なかった。
僕が高校生だった１５年ほど前とは、学校の顔触れや、勢力図が変わっているように
感じる。ここ数年、力をつけている流経大柏は、全国から優秀な選手が集まり、選手寮や
グラウンドなどプロ並みの施設を備えていて、ポペイロ（用具係）までいるというから
驚きだ。大学や高校が、少子化で生き残りをかける時代。僕の母校、清水商も合併して
新たな高校になるため、名前が消えてしまうと聞いて、さみしい思いをしている。
高校サッカーが宣伝効果の一つになるという点で、流経大柏は今の時代を象徴している
のかもしれない。
津工は、流経大柏に０－６で敗れてしまったが、魅力的なサッカーで沸かせてくれた。
優秀な人材がＪリーグのユースに入るケースが増え、高校サッカーのレベルが下がったいう
声をよく聞くが、全体的なレベルを見ると、決してそうとも言えない感じがする。
僕がプレーしていたころは、対戦する前から、勝敗が分かるようなカードがいくつかあった。
地域によって格差が激しく、強い地域、学校が偏っていた。例えば、高川学園のある
山口県のチームがベスト４に進出するなんて、１５年前では考えにくいことだった。
僕が高校を卒業した１９９２年、Ｊリーグができた。どの高校にも上位進出のチャンスがある
今の状況は、プロ化の影響が大きいような気がする。
そんななかで、静岡県代表の藤枝東が決勝に進出したのは、同じ地元としてうれしい。
高校時代はライバルだったけど、卒業してからは、やっぱり静岡県のチームは応援したくなる。
流経大柏との決勝戦は白熱したゲームを期待しているけど、気持ちは藤枝東に傾いてしまう
だろう。
（Ｊリーグコメンテーター、元名古屋グランパスＭＦ）
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