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Jリーグが発足して、日本のサッカーは強くなった。各クラブは下部組織を充実させ、
後に日の丸をつけるような選手を輩出するようになった。
だが、日本のサッカーを支えているのはJリーグだけではない。いや、Jリーグによって
育てられた才能は、むしろ少数派と言えるかもしれない。いまも昔も、日本のサッカーを
支えているのは、かつての小嶺氏のような、名もなき人たちの情熱である。
12月24日、悲しい事件が起きた。
東京外環自動車道で、サッカーチームのマイクロバスから吉崎健君が転落し、
後続のトラックにはねられて死亡したのである。運転をしていたのは、会社員でもあるコーチだった。
報道によれば、運転手がドアのロックを忘れたのが事故の原因だという。
愛息を亡くされたご両親からすれば、「なぜ!」と叫びたいお気持ちだろうとは思う。
だが、無責任な第三者であることを自覚したうえで言わせていただくならば、
吉崎君の命を奪ったのはコーチではない。これは、ボランティアの情熱におんぶに抱っこを続けてきた、
日本サッカー界の責任である。
サッカーが、11歳の少年の命を奪ったのだ。
どれほどの謝罪と悔やみの言葉が積み上げられたところで、吉崎君は戻って来ないし、
ご両親の痛切な痛みが消えることもあるまい。ただ、それでもなお、サッカー界は今回の事件に対して
連帯責任を感じるべきである。高校野球の不祥事で連帯責任を問うのは馬鹿(ばか)げていると考える
わたしだが、今回ばかりは、サッカーに携わる者すべてが、哀悼の意を捧(ささ)げなければならないと思う。
運転をしていたコーチは容疑者になってしまった。だが、日本のサッカー界は、 いまなお彼のような立場の
人々の情熱によって支えられているからである。
(スポーツライター)
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2007/12/28(金) 18:17:10 ID:???0