08/04/25 17:45:55 soBpgzW30
>>309
気持ちはわからないでもないが、悪いことはいわん。「どん底」だけは読んどけ。
あれは、面白い。読んでて、面白い。異常な世界を疑似体験できる。
俺は東の本は、ナントカ殺人事件以外は全部ひととおり読んだ。が、読むに値する本は、あの本だけだった。
客観的事実がどうだったかなんてのはどうでもよくて、(そんなものはそもそもたいした価値はない)、
奴が出来事に対してどう感じたかの心象風景が面白い。どん底に書かれてる暗闇の風景は味わい深いぞ。
というかあの作品を抜きにして、その後の東国原は理解できない。理解は薄っぺらいものになる。
「どん底」以後に発表された小説とか日記とかは屁みたいなものだ。
知事になってから書いたものはさらに薄っぺらい。
どん底の土台がなくて読むと「ふーん」で終わるタレント本だ。
しかし、「どん底」。これだけは、違う。あの当時の彼にしか書けない種類の話。
事実がどうだったかではなくて、東が当時、世の中をどのように見ていたか、感じていたかが皮膚感覚でよくわかる。
信者になるにしても、アンチになるにしても、あの本は避けて通れない。
あの本を読まずして東を語るのは、聖書を読んだことがなくてキリスト教の是非を話すようなもんだ。
それにあの本は、人間が描けていて、面白い。
格好をつけようとかいい人に見られたと言うような邪念がなく、裸の人間がさらけ出されてる。
実は、謹慎当時の彼は、精神的に追い詰められていた。
で、心のバランスを確保するために自分を客観化する作業が必要だったんで日記をつけていた。
その日記を本にまとめたのがどん底。
今みたいに、格好良く見られたいとか頭のいいふりをしたいとか言うような邪念がない状態で書かれているので、
奴の本質が純度高く表現されている。その意味でも、読む価値があるのだ。
悪いことはいわん。買えとはいわん。図書館にもあるはずだから、ぜひ読んでみてほしい。
まず、面白い。そして、考えさせられる。読んでもらえれば、信者対アンチのバトルをするときにも深みが出る。