07/03/28 17:10:02 tjb6r9mi0
東京新聞1999年9月18日 見出し『物書きの目に戻り「生」みつめる』
障害者施設視察 症状や治療…熱心に質問
「行政者というより物書きをする人間として考えさせられた」
石原慎太郎東京都知事は、九月十七日、重症の心身障害者が入所する都立
府中療育センター(府中市)を視察、しみじみと感想を語った。これまで
のハコモノ視察と違って、今回は「人間の存在」という問題に直面させら
れる場所。病棟には、一歳の時にふろでおぼれ、全身まひとなった十三歳
の男の子らがベッドに横たわっている。「こんにちわ」とほほ笑みかける
知事に、男の子は目と舌のかすかな動きで自らの「生」を必死に表現する。
約二百五十人の入所者の大半が、センターができた一九六八年以来、三十
年以上にわたってここで生活している。人工呼吸器の生活を強いられる人
も少なくない。知事は「環境庁長官として(熊本県の)水俣を訪れたとき
を思い出す」と言いながら、入所者について「生まれた時から同じような
症状なのか」「どういう治療をしたのか」などと、院長らに熱心に質問した。
知事「これだけ手厚い手当をしながら入所者の症状に可逆性(回復可能性)
がない。徒労感は?」院長「時々あります。でも、それを乗り越えなけれ
ば仕事はできません」帰りがけに「入所者は自分がだれだか分からない。
(彼らに)人生がない、というくくり方をする人もいるが、それなりの
人生があるんだという一つの確信を持って仕事をしているのは、素晴らし
いことだ」と知事は漏らした。ただ、「外国にはこういう施設がない」と
説明を受けたこともあって、都庁に戻っての記者会見では「ああいう人
(入所者)は人格があるのだろうか。僕は自分の結論を出してないのだが、
おそらく西洋人なんか切り捨てるんじゃないか。(西洋人は)すぐに安楽
死などを考えるのでは…」と複雑な表情も見せた。一方、療育センターを
視察したきっかけを問われると「ほかの(都立)病院はひどいからね。
大改革をやろうと思ったけど、『それなら、採算度外視で崇高な仕事をし
ている医師や看護婦もいるのを見たほうがいい』と側近に言われた」。(後略)
↓ アカヒのフィルターにかかると
朝日新聞1999年9月18日 見出し『ああいう人たちに人格あるのかね』