08/09/03 09:44:28
マイクロソフト日本法人が9月1日、据置型次世代ゲーム機「Xbox360」の値下げを
発表した。9月11日からスタンダードモデルの容量を20GBから60GBに拡張し、価格
は税込み3万4800円から2万9800円に引き下げる。
その他の2モデルについてもそれぞれ8000円引き下げ、廉価版「Xbox360アーケー
ド」の価格1万9800円は、次世代ゲーム機の中では最安値となる見込み。年間出荷
台数が20万台程度(CESA調べ)と低迷している日本市場で、販売拡大を狙う。
だが、筆者にはたとえ低価格戦略を進めようとも、国内市場で年間500万台を販売
する任天堂「Wii」、同100万台程度で追随するソニー「プレイステーション3(PS3)」
に「Xbox360」が一矢報いるイメージは描けない。
というのも、国内市場で先行する2社の場合、ミリオンヒットの狙える自社開発ソフト
を複数持つ一方、後発組のマイクロソフトはビッグタイトルをほとんど創出できておら
ず、ゲーム機の売上げを左右するソフト開発能力で2社に差をつけられているのが
現状だからだ。
この点は、今後のソフトラインナップを見ると明らかである。
「Wii」の場合、独自の娯楽性を利用した「Wiiスポーツ」など、開発ソフトの人気タイ
トル数を従来以上に充実させており、今後の発売予定リストでも他機種を圧倒してい
る。
「PS3」についても、自社タイトル「グランツーリスモ5」の他に、同機種の画像処理
能力を生かしたメガタイトル「ファイナルファンタジー13(スクウェア・エニックス)」の独
占供給が予定されており、今後はハード普及に一層の弾みが付くと予想される。
一方、「Xbox360」では「ウイニングイレブン2009(コナミ)」や「ガンダム無双2(バン
ダイナムコホールディングス)」といった有力タイトルの発売を控えるものの、どのタイ
トルも他機種との並列発売が予定され、ゲーム機自体の販売増にはつながりそうに
ない。
現在、ソフトウェアメーカーはリスク分散の観点から開発体制のマルチプラットフォ
ーム化(複数機種によるソフト発売機種の複数化)を進めており、特殊な理由がなけ
れば独占供給は行わない。従って、ゲーム機普及には自社ソフトの開発能力が不
可欠な要素であると言え、いくら値下げを行っても「Xbox360」の普及が進むとは考
えづらいのだ。
ただ、今回の「Xbox360」値下げが、今後発表されるであろうソニーの年末商戦施
策に影響を与える可能性には注目したい。
同社では、欧米市場で8月に容量を40GBから80GBに拡大させながら価格を据え
置く、実質値下げを発表しており、日本市場での動向には従来から注目が集まって
いた。仮に、同社が「Xbox360」に追随するかたちで、日本市場でも値下げに踏み切
るようならば、人気タイトルの発売に伴ったハード普及にも拍車が掛かると予想される。
同機種でメガタイトルの発売を予定するスクウェア・エニックス、カプコン、コーエー
といったソフトメーカー各社の成長性も高まりそうだ。
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