08/08/27 10:31:19 9TXZZ8Il
決められたオチがあるものは一度しか読めないが、
決められたオチがないものは、読む度に「別のオチの可能性」を想像できるので、何度も読める。
近代怪談はそういう、オチで読者の想像を縛らない、複数回読める、という形のものがスタンダード。
ところが、この形の怪談が楽しめるのは女性、もしくは今の20代中後半以上の年齢で、
忌火起草の狙っている10代後半~20代前半(大学生の主人公と同世代層)というのは、
ゆとり教育導入第一世代。つまり、明確なオチを手取り足取り明示しないとダメで、
「可能性を示唆して、行間を想像・連想させる」というスタイルの表現方法は理解されない。
「だからなに?」「それで?」で、思考がストップしてしまい、ヒントを与えて促しても、
明確な回答をはっきり言わない限り、「その先」が想像できない。
元々サウンドノベルというのは、「文字表現メイン」「行間を想像させる」という形で、
プレイヤーの脳内に像を結ぶ、プレイヤーに「書かれていない可能性を想像させる」ということに
重点が置かれたゲームシステムだったが、思考停止系の書かれていること以上のことが想像できない
ゆとり世代が本格的に増えていく世相にあっては、今後は理解されにくい。
ホラー・怪談のように、恐怖を扱う分野では「可能性を示唆して、危険性に気付くことを促す」
という描写や表現が一般的だが、恐怖=可能性を想像して、危険に対する予備回避行動を取らせる、
というものについて、「恐怖」を想像できない世代は、サバイバリティも低くなりがち(危ないと言われても、
実際に危険を経験するまで、警告の意味が理解できない)なので、生存率も低くなる。