08/08/21 21:31:22
沖縄在来種の黒い豚「アグー」の肉が人気上昇中だ。沖縄戦で激減し、絶滅寸前から
復活した「幻の豚」。那覇市などでは飲食店や土産物店にアグーの看板やのぼりが目立ち
始めた。ただ、その流通ぶりは生産量に比べて過大とみられ、偽物が蔓延(まんえん)
しているとの指摘もある。生産者や県はブランドの確立に乗り出した。
「何枚でも食べられる」。7月下旬、那覇市中心部の焼き肉店「GeN」。神奈川県から
家族で観光に来た田中友康さん(32)は初めてのアグーに感激した。「脂身の多い豚肉を
おいしいと思ったことはなかった。また来ます」
00年開業のGeNはアグーを名物に掲げた先駆的な店だ。「『沖縄在来』にこだわりが
あった」という上江洲安紀(うえず・やすのり)社長(45)も自信があったわけではなく、
当初は客に無料で出していたが、ここ数年は注文の半分がアグーになるほどの人気ぶり
だという。
アグーは600年余り前に中国から沖縄に伝えられた豚が起源とされる。かつては各家庭で
飼われていたが、沖縄戦で激減。戦後は本土や米国から持ち込まれた西洋種の白豚が主流と
なり、アグーは絶滅したと思われていた。
だが1981年、名護市の博物館が県内全域で調査し、アグーの特徴を持った30頭を発見。
同市の北部農林高校に集め、雑種性を取り除く「戻し交配」を繰り返して復活させた。その後、
98年のJAを皮切りに、一部農家や農林高校が食用豚として商品化に乗り出した。
商品化する際は純粋種と西洋豚のハーフを使うのが主流だ。とはいえ、最近は生産量に
比べて多すぎる「アグー」が街にあふれ、「偽物も多いのではないか」と指摘されている。
そのため生産者や県は05年、「おきなわブランド豚推進協議会」を設立。ブランドの確立へ
動き出した。
まずは二十数年ぶりに個体数の確認を試みた。農家に呼びかけ、外見などからアグーとされて
いた27戸の584頭について、体形やDNAを調査。今春までに218頭をアグーと認定した。
認定した個体には耳にICチップをつけ、血統や生産者の情報を盛り込む登録制度を整備中だ。
01年に個人で初めてアグーを商品化し、人気の礎を築いた県養豚振興協議会の我那覇明会長
(59)は生産や流通のルールをつくる必要性を感じている。「誰がどんな環境で生産し、
どのように流通しているのか。消費者に説明できなければ信頼は失われる。マンゴーやゴーヤー
のように、本土が生産の主流になってしまうかもしれない」
協議会では今後、指定生産農場の認定▽販売店や飲食店の指定店登録▽食用豚へのICチップ
導入などを検討する方針だ。「沖縄の誇り」をかけた取り組みが続く。
▽画像:二十数年ぶりの個体調査で「本物」と認定されたアグー。耳にICチップがついている。
URLリンク(www2.asahi.com)
▽朝日新聞
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