08/05/12 15:17:56
フロントには猫の目とひげ、側面には4本の足、後部にはしっぽの突起‐。
全国でも珍しい、猫を模したタクシーが福岡都市圏を走っている。規制緩和
による競争激化や燃料費の高騰で、苦境が続くタクシー業界。猫タクシーは、
生き残りをかけ個性で勝負する。
登録名は「吾輩(わがはい)は猫であるタクシー」。福岡県の大石さん(55)
が運転する個人タクシーだ。車内も、ぬいぐるみ、アクセサリー、シール…と
猫一色で、クッションまで三毛猫の模様。天井には猫形の飾りが回りながら動く。
大石さんがハンドル横のボタンを押すと「ニャー」。鳴き声が出るクラクション
だった。レシートにも猫の絵が入る徹底ぶりだ。
大石さんは個人タクシーを始めて11年目。子どものころから人を笑わせるのが
好きだった。5年ほど前から、少しずつ「猫」に近づけてきた。背景にあるのは、
タクシー業界の競争の激化。新規参入や増車を原則自由にした2002年の規制
緩和で、タクシー台数は急増。福岡陸運支局によると、県内の台数はその後07
年度までに約370台増え、一方で資金力のない個人タクシーは減少の一途。
「個性で勝負しよう」と思った大石さんは、偶然読み直していた夏目漱石の小説
「吾輩は猫である」から、ヒントを得た。
乗車をためらう客や「おかしいんじゃないか」と非難する客もいるが、おおむね
好評。「言い争っていた男女が、乗車したらやめたこともあった」。乗らないの
に呼び止める人もいるという。燃料費の高騰もあり、厳しい状況は続く。特に
福岡都市圏のタクシー会社による昨年11月の運賃値上げについて、「タクシー
の利用自体を控える人が増えているのではないか」と影響を心配する。大石さん
は値段を据え置いたままだ。「厳しいからこそ、個性で頑張る。お客さんが
『乗って良かった』と思ってもらえるのが一番。これからも進化し続けますよ」
西日本新聞 2008年5月12日 14:16
URLリンク(www.nishinippon.co.jp)
(ソース先に画像アリ)
※ご依頼いただきました