08/05/12 15:03:57
HIV(エイズウイルス)感染、発症で両親を失ったアフリカ・レソトの孤児たち
に音楽を通じて笑顔を取り戻してもらおう-。日本のバイオリンメーカーなどが
バイオリンと講師を送り、音楽教育を行うプロジェクトが動き出した。関係者は、
明日の見えない暮らしを余儀なくされる孤児に「未来には希望があることを教え
たい」と期待を寄せている。
レソトの人口は約180万人。産業が発達しておらず、国民経済は隣国の南アフ
リカなどへの出稼ぎに頼っているのが現状だ。HIV感染が深刻で、2005年
のWHO(世界保健機関)調査によると、成人のHIV感染率は23・2%、
平均寿命は35歳にすぎない。エイズによる孤児は10万人で、海外援助で建設
された孤児院などで生活している。孤児院も十分な生活・教育環境とはいえず
「孤児は未来への希望を失っている」(駐日レソト大使館)という。
同国の現状を知った老舗バイオリンメーカー、鈴木バイオリン製造(名古屋市)
の鈴木社長(48)と、NPO法人(特定非営利活動法人)イエロー・エンジ
ェル(同)の宗次代表理事(59)が「バイオリンの優しい音色で、孤児たち
の心が癒やされれば」と音楽教育を始めることになった。
同NPO法人は、新進演奏家にバイオリンの名器を貸与することで、クラシック
音楽の向上に寄与している。今回のプロジェクトには将来、レソト国内に文化的
な素養が広がり音楽家が育ってほしい、との願いが込められている。
15日に子供用バイオリン50丁の贈呈式が名古屋マリオットアソシアホテルで
行われ、年内にも日本人講師を派遣する予定だ。
モケレ・リカテ在日レソト大使(56)は「孤児たちに『未来には希望がある』
ということを教えてあげたい」とプロジェクトの成功を祈っている。民間の善意
を受けて、外務省と国際協力機構(JICA)が後援を決定。「子供たちへの
教育やスポーツ指導など長期にわたる支援も重要だ」(JICA)と高く評価する。
プロジェクトの問い合わせはレソト大使館「リトル・バイオリニスト」事務局
(trade@lesothotokyo.org、日本語可)
産経ニュース 2008.5.11 19:24
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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