08/05/05 02:53:04
ずらりと並ぶ古今東西の名画はすべて精巧な複製品で、専用レンズを向ければ
過去の修復跡まで浮かび上がる。そんな時代が、もうそこまできている。
発展し続けるデジタル技術の助けを借りて、美術館や博物館が新しい鑑賞スタイル
を模索している。
■陶器の修復、映像で
午後4時半、東京・五反田の大日本印刷(DNP)。パリと東京を結ぶテレビ会議が
始まった。通訳を交えた議論は5時間続くこともある。ルーブル美術館とDNPの
共同プロジェクト「ミュージアムラボ」のスタッフたちだ。
ルーブルが2年後に開設するイスラム展示室や、北フランス分館の新しい展示方法を
共同研究しており、作品の魅力や背景を深く伝えるデジタル技術の使い方を話し合う。
「ミュージアムラボ」は06年に始まり、成果をすでに4回発表した。最近は、9世紀の
イスラム陶器にカメラ付きのパソコンを向けると、修復の様子が分かる映像を、陶器に
重ねてパソコン画面に映し出す技術を実用化した。
ルーブルのアンリ・ロワレット館長は、「最新のデジタル技術が美術品の理解にどのように
役立つか。それを世界の美術館に先駆けて実験している。鑑賞の新しい基準を作りたい」と話す。
「門外不出」級の作品を所蔵する外国の美術館が日本企業を頼る例は後を絶たない。
作品の劣化を防ぐには、展示を制限せざるを得ないが、複製なら気兼ねなく展示できる。
企業にとっても美術品は、自社技術の発揮・宣伝の対象として最適だ。
イタリア・フィレンツェのウフィツィ美術館は、日立製作所と組んで「受胎告知」を含む
レオナルド・ダ・ヴィンチの3作品のデジタル画像を制作。3点とも昨年、東京・上野の
ダ・ヴィンチ展で展示された。
日立はフィレンツェ大学と共同で他の作品のデジタル化にも取り組んでいる。
プロジェクトを率いる日立の森岡隆行さんは「イタリアの学会で成果を発表したら、
高精細画像で見てこそ分かる、新しい発見があると指摘された」と話す。
ソース:URLリンク(www.asahi.com)
画像:
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朝日新聞 2008年05月04日22時22分
(>>2に続く)