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7月に閉店する大阪・道頓堀の飲食店「くいだおれ」の女将(おかみ)、柿木(かきのき)道子
会長が16日、朝日新聞のインタビューに応じ、60年続いた「大阪名物」の店を閉めることを
決めた心境を語った。看板人形「くいだおれ太郎」に人格を持たせた経緯などにも触れ、
今後の活用法に思いをはせた。
「10年以上前から、閉店について考えていました」。道頓堀かいわいが徐々に姿を変え、
ピーク時の90年から年々業績が下がる状況に、「売り上げが落ち続けることは、くいだおれが
道頓堀での役目を終えたということ。寂しいけど、時代の流れを受け入れよう」と決意したという。
閉店発表後、来店客が従来の2倍に増え、「もっと続けて」との声も絶えない。「ありがたい。でも、
区切りはつけなあきまへん」と言い切る。
くいだおれが広く認知された理由について、柿木会長は「出来た時から『ほんまもん』を安く
売ってきたから」とみる。創業した1949年当時は食料が少なく、酒に水を混ぜて売る店も多かった。
そんな中、創業者で先代の山田六郎氏は酒の名所、神戸市灘区から直接買いつけ、客の
目の前でたるからグラスに入れる作業を見せて、「本物」をアピールしていたという。
先代の次女の柿木会長が店に入ったのは83年。それまでは普通の主婦だった。「猫の手も
借りたいほど忙しく、父に懇願された」。以降、すしとうどんをセットにした「大阪ロマン」をはじめ、
ユニークなメニューを考案するなどして店を支え続けた。
94年、店頭の人形を「くいだおれ太郎」と命名。大イベントなどでメッセージを発する「なにわっ子」を
演出した。テレビで「あの古くさい人形は大阪の恥」と言われたのを見て発奮したという。
阪神タイガースが優勝争いをした際は、興奮したファンに道頓堀川に投げ込まれるのを警戒して、
「わて泳げまへんねん」のセリフを掲げて話題になった。「第一に、公序良俗を大切にする性格に
したいという信念でやってきました」
太郎を含めた「くいだおれ」の商標には現在、100件を超す買収希望が寄せられており、同店は16日、
ホームページで受付窓口を設けた。
「売却先には斬新なアイデアで活用してほしい。親離れしても、どこかで活躍する姿を見守りたい」
ソース:URLリンク(www.asahi.com)
朝日新聞 2008年04月19日08時18分
依頼スレ#529より