08/07/15 20:46:21 0 BE:158953032-2BP(9569)
タイを舞台に人身売買や幼児売買春・ポルノ、臓器密売という衝撃的な題材を描いた映画「闇の子供たち」が
来月公開されます。折しも臓器移植や児童ポルノ問題で政治の責任が指摘されています。原作者の梁石日さんと
「政治の不作為」について考えてみました。記者・清水 孝幸
清水 梁さんが原作の小説(同名)を発表したのは二〇〇二年。なぜ、当時、こんな目を背けたくなるような
題材を取り上げたのですか。
梁 私のテーマの一つに(抑圧、捨象された)「アジア的身体」があるわけで、その一つの問題意識です。
当時、日本からアジアにどんどん買春旅行に行っていたこともあったでしょうね。
清水 六年前の小説を映画化したのに、貧しい国の子供たちの悲惨な現実は「いま」の問題のように感じました。
梁 むしろ、こういう問題はもっと深刻化しているというか、拡大していると思いますね。ですから、いま映画を
見ても、時間的な差異は感じないのでしょうね。
アジアだけでなく世界的に見ても、ストリートチルドレン(路上生活の子供)の数は増えていると思いますね。
やっぱり世界的に格差社会が広がり、深まっているのではないですか。矛盾というものは一番きつい形で
弱者にくるんですよ。
(略)
清水 遠い国の話のように感じますが、貧困や格差が原因だとすると、日本だって他人事(ひとごと)ではないってことですか。
梁 小学校五、六年生が渋谷にあこがれて家出し、売春をやってるわけですからね。こういう子供がこれから
増えてくるかも分からないよね。
ヤン・ソギル 在日コリアン作家。1936年大阪府生まれ。
事業の失敗や放浪生活を経て、タクシードライバーとなる。そのときに書いた「タクシー狂躁曲」が
映画「月はどっちに出ている」となり、話題を集める。「血と骨」で山本周五郎賞を受賞。
「夜を賭けて」「修羅を生きる」「夏の炎」「冬の陽炎」など著書多数。
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)