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NPO法人・日本ウミガメ協議会(大阪)が福井県若狭町の県海浜自然センターと連携し、
昨年9月からアオウミガメの衛星追跡調査を行っていたが、10月上旬に韓国東部沿岸で
確認したのを最後にウミガメの情報が途絶えている。
同協議会は、その後2カ月以上にわたり電波が受信できないため、このほど最終報告を
まとめた。今回は追跡期間が23日間と短かったが、「韓国側に渡っていたことが分かり、
回遊ルートの調査研究に役立つ」としている。
保護を目的にウミガメの調査・研究に取り組んでいる同協議会は、昨年9月11日に
若狭町世久見の定置網で捕獲されたアオウミガメを使い、日本海での生態調査に取り組んでいた。
衛星追跡装置や放流場所などを示す標識タグを取り付け放流。日本海側で2例目となる
ケースで、12日に同町世久見沖約6キロの地点で再放流した。
小笠原諸島や屋久島以南を産卵場所とするアオウミガメの日本海側における情報は少なく、
以前は誤って入り込んだものと考えられていた。しかし最近では、海水温が低くなる秋ごろまで
餌となる海藻が豊富な日本海沿岸で栄養を蓄えた後、冬場に向けて南下するとみられている。
放流から2日後の14日に初めて観測に成功し、北西方向に向かっていることを確認した。
その後は18日から26日までの9日間、深く潜るなど位置を特定できない弱い電波を受信する
状態が続いた。27日には朝鮮半島東岸に達し、半島沿いに南下していることを追跡できた。
しかし、「精度の高い位置情報」を受信した10月5日以降、電波が途絶えてしまった。
「精度の高い位置情報」は、産卵のときに砂浜に上陸し、発信器が長期間水中から出ている
状況などでみられ、同協議会は「再び漁師の網にかかり、船上にあがったものと考えられる」と判断した。
過去には電波が途絶えて1カ月後に復活した事例もあり、韓国の研究者と連絡を取るなどしたが、
手がかりは得られなかったという。
最終報告では「1カ月足らずの間に、広い日本海で2度、網にかかった可能性が高い。
ウミガメを取り巻く環境が危険と隣り合わせにあることを示す事例となる。
国境なく泳ぐウミガメにとって、国際的な保護の取り組みは重要な課題」と指摘している。
ソース:福井新聞ONLINE
URLリンク(www.fukuishimbun.co.jp)