07/12/27 17:13:55 0
60歳代の女性。夫は亡くなり、30歳代の二男と二人暮らしです。
二男は東京の大学を卒業し、故郷に就職しました。帰省の荷物の中に、
段ボール箱いっぱいのアダルトビデオを発見し、愕然(がくぜん)としました。
二男は就職後まじめに働き、今では責任のある立場についています。
しかし、通販で買ったアダルトビデオ類が増えているのが、気になります。
ふとんを干すため二男の部屋に入ると見えてしまい、目を覆いたくなります。
異常ではとも思います。一度処分するようにほのめかしましたが、
気を悪くしたようでした。
近くに住む長男に相談したところ、「静観した方がよい」といわれました。
二男には、早く結婚して私を安心させてほしいと思っています。
見合いをしたこともありますが、うまくいきませんでした。
アダルトビデオ類を処分して、成熟した大人の結婚を考えてほしいのです。
これは傲慢(ごうまん)な考えでしょうか。ご助言をお願いします。(静岡・U子)
◇
東京の大学を卒業して故郷に就職した二男は、親孝行で、あなたに特に困ったことを
しているとも思えません。段ボール箱いっぱいのアダルトビデオを見て、あなたは
愕然としてしまいましたが、今の世の中はそのようなものであふれているのです。
30歳代の独身男がアダルトビデオに触れないでいるほうが不自然だと、
今はそんな世の中です。
普段そんなものに触れたことも目にしたこともないあなたは、不潔に感じ、
異常と思ってしまうかもしれません。パソコンを開けば、そのような映像はいくらでも
手に入ってしまうのです。
長男が静観したほうがよいというのは、正しいと思います。このことであなたが
問い詰めでもしたら、二男はプライドを傷つけられ、あなたとの関係がぎくしゃく
してしまう可能性もあります。
アダルトビデオの氾濫(はんらん)する世の中に慣れたほうがよいと、
絶対にあなたに申し上げているわけではありませんが、自分の価値観を
若い者に押しつけてはいけません。静観の先に、自然な結婚を期待しましょう。
(立松 和平・作家)
読売新聞
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)