【放送】もはや「融合」は時代遅れ・下り坂のテレビ局が取り組むべきこと (日経 岸博幸の「メディア業界」改造計画)[08/08/25]at BIZPLUS
【放送】もはや「融合」は時代遅れ・下り坂のテレビ局が取り組むべきこと (日経 岸博幸の「メディア業界」改造計画)[08/08/25] - 暇つぶし2ch2:やるっきゃ騎士φ ★
08/08/25 12:26:26
-続きです-
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第3は、番組の質の低下である。本当に面白くて世間が注目する番組ならば、誰でも
見たがるはずだし、その際はパソコンや携帯よりもテレビの大画面の方が好まれる。
例えば、ネット配信(=テレビ離れ)が急速に進む米国でも、今年2月の
スーパーボウルはテレビの歴史上2位の視聴者数を記録した。番組自体がつまらないから、
ユーザーはテレビから離れ、広告費も離れて行くのではないだろうか。

■通信と放送の融合だけでは儲からない
このように考えると、民放局の収益の急速な悪化は、景気変動などによる一時的なものでは
なく、構造的なものと捉えるべきであろう。その場合、民放局はいかに対処すべきで
あろうか。個人的には3つの基本方針が必要と思う。

第1に、以前の私も含めて多くの専門家は「だからこそ通信と放送の融合を進めるべき」
と言うだろうが、いまの私の考えは異なる。反省を込めて言えば「融合」に惑わされる
べきではない。

融合を日本で最初に喧伝した者として自信を持って言うが、未だに融合を叫ぶのは
時代遅れである(政策としては必要であるが)。米国で広告モデルを採用する
ビデオサイトの大半が赤字であることからも明らかなように、ネットの収益への
貢献は大きくないからである。
テレビ広告収入の落ち込みは、ネット収入では補えないのである。

だからこそ、放送局は融合を超えたビジネスモデルの確立を目指して、取り組みを早急に
始めるべきである(私なりのビジネスモデルのイメージはあるが、紙幅の関係もあり
ここでは省略する)。今のビジネスモデルに永続性がないことは急速な収益悪化から
明らかであり、かつ融合だけでは問題は解決しないのである。

第2に、放送事業もビジネスである以上、苦境に陥りつつもまだ余裕がある今のうちに、
事業再生の基本に立ち返るべきではないだろうか。事業再生の基本は、
(1)徹底した無駄の削減をする、(2)コアコンピタンスのある事業に資源を集中する
とともに、その成長戦略を確立する、(3)不採算事業は切り離す、という当たり前の
ことである。無駄の削減の余地は大きいと思うので、民放局は最悪(1)だけでも数年は
しのげるであろう。問題は、その間に(2)と(3)をしっかりと実行できるかである。

第3は、第2点目の延長となるが、本業の強化を優先すべきという点だ。報道によると、
多くの民放局が番組制作費の削減を始めたようだ。それが無駄な経費の削減なら正しいが、
その場しのぎの帳尻あわせだったら、誤った対応と言わざるを得ない。

民放局のコアコンピタンスは何か。異論はあるだろうが、私は番組制作力とブランド力だと
思っている(かつては番組送信能力が最大のコアコンピタンスだったが、それはネットの
普及とともに価値を失った)。それでなくとも番組の質が低下しているなかで、過度の
番組制作費の削減はコアコンピタンスの喪失につながりかねない。今のNHKがその
典型例である。本業以外の収入を増やす努力はもちろん必要であるが、本業にまだ
コアコンピタンスがあるうちに、その再強化をすべきではないだろうか。

-続きます-


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