08/08/24 12:09:32
公共事業の削減に、原材料高や不動産市況の低迷などが加わり、建設業界の苦境が一段と鮮明に
なってきた。7月の建設業の倒産件数は過去5年で最多となり、増勢に拍車がかかっている。
金融機関も融資姿勢を厳しくしており、資金繰りが行き詰まり倒産に追い込まれる企業が後を
絶たない。とくに地方ゼネコン(総合建設業)のダメージが深刻で、日本経済の先行きにも影を
落としている。
≪上期4年ぶり2000件≫
民間調査機関の東京商工リサーチによると、今年上期(1~6月)の全国の建設業の倒産件数
(負債1000万円以上)は前年同期比7・7%増の2120件と3年連続で増加し、上期としては2004年以来
4年ぶりに2000件を上回った。7月は前年同月比20・3%増の425件と今年最多。03年7月以降
過去5年でも最多となっている。
≪目立つ地方大手≫
最近、目立っているのが地方大手の倒産だ。7月は東証1部上場で北陸3県最大手の真柄建設が
民事再生法の適用を申請したほか、北海道の北野組も破産手続きに入った。真柄建設の負債総額は
348億円で北陸3県の過去10年では最大。北野組も118億円と道内建設業で最大規模だ。
8月に入っても、宮崎県最大のゼネコン、志多組が負債278億円で倒産するなど、大型破綻(はたん)が
相次いでいる。
建設業界を取り巻く環境は厳しい。国の予算縮小や地方自治体の財政悪化を受けて、公共事業は
ピーク時から4割以上減った。耐震偽装を防ぐため建築確認を厳しくした改正建築基準法の施行に
伴い住宅着工が激減。米国のサブプライム(高金利型)住宅ローン問題の影響で外資系ファンドが
不動産投資に慎重になったことから、新規の建設工事受注も落ち込んだ。建設資材の価格高騰で
コスト上昇も避けられない。
≪厳しい資金繰り≫
採算が悪化する中、資金繰り難が追い打ちをかける。融資が焦げ付く懸念が強まっているため、
銀行が融資審査を厳格化。08年3月期の貸出残高は14兆9834億円で前年同期比5849億円
減少した。市況の低迷で不動産業の倒産も続発し、工事代金の回収が滞る事例も増えている。
建設業の倒産急増で地方経済が冷え込む恐れも大きい。東京商工リサーチ情報部の友田信男
統括部長は「建設業は地方の基幹産業で、取引先のすそ野が広い連鎖倒産の増加で、疲弊する
地方経済にさらにダメージを与える懸念がある」と指摘する。
建設不振が地方経済の一段の悪化を招けば、日本経済の回復の足取りも弱まるのは必至だ。
ソースは
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建設業の倒産件数のグラフは
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