08/08/18 12:30:10
画像・図表はソース参照。
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東京工業大学の矢部孝教授は、石油や石炭の代わりにマグネシウムをエネルギー源に使う
「マグネシウム社会」を提唱する。金属マグネシウムを水と反応させると、水素を出し、
これを燃やせば発電ができるからだ。しかも使い終わったマグネシウムはリサイクル利用が
可能。持続可能なエネルギー源となりうる。壮大な夢物語にも聞こえるが、同教授らは
「エレクトラ」と名づけたベンチャー企業を起こし、技術の実証実験を始めている。
エレクトラ社の代表取締役会長も務める矢部教授に聞いた。
--マグネシウム社会とはどんな社会ですか。
「マグネシウムはアルミニウムより軽い金属でノート型パソコンや携帯電話のボディーに
使われている。地球上に存在する元素では8番目に多く、資源としては非常に豊富だ。
純粋な金属マグネシウムは反応性が高く燃えやすい。パソコンなどに採用されたのは
燃えにくくしたマグネシウム合金だ。私たちは燃えやすいという性質を利用して
エネルギー源としてマグネシウムを利用することを提唱している。金属マグネシウムを水と
反応させると水素が出る。この水素を利用すれば燃料電池発電ができるし、水素を燃やして
発生する高温高圧水蒸気でタービンもまわせる」
「化石燃料に代わる未来のエネルギー源として水素が注目されて、『水素社会』の実現を
求める声があるが、水素は気体(ガス)であるため高圧タンクやボンベに貯蔵しなければ
ならず、扱いも難しい。マグネシウムの塊はセ氏650度まで発火しないので倉庫の中に
積んで貯蔵できる。ボンベに詰めた水素と比較すると、体積あたりの発生エネルギー量は
マグネシウムの方が大きい。水素をそのまま貯蔵・運搬するではなく、水素を運ぶ媒体
としてマグネシウムを採用する方が望ましい」
--それほど魅力的な材料でありながら、これまでエネルギー源として考慮されなかったのは、
精錬にエネルギーがかかるからですね。
「自然界に存在するのはマグネシウム化合物。これを金属マグネシウムに精錬するプロセスは
ものすごくエネルギーを消費するので、マグネシウムをエネルギー源として利用するのは
非現実的だった。そこでカギになるのが、太陽光励起レーザーだ。太陽光をレンズで集光して
特殊な結晶にあて強いレーザー光を発振する。このレーザー光で精錬ができれば、いわば
無尽蔵の太陽エネルギーを活用できるわけで障害はなくなる。水と反応させると
マグネシウムは酸化物になるが、これをレーザーで金属マグネシウムに戻せば、
リサイクル利用できる。化石燃料のように燃やしたらおしまいというわけではない。
研究室では、マグネシウム燃焼エンジンや、酸化マグネシウムを金属に還元する装置を
試作し小規模ながら実験に成功している」
-続きます-