08/08/16 14:32:33
★【コラム】 海外モバイルトピックス 18 日本で増加する中国メーカー端末
MVNO(仮想移動体通信事業者)の日本通信から3G方式に対応した「b-mobile 3G hours 150」が
発売になった。端末は日本初登場となる中国ZTE製だが、気がつけば日本では3社目の中国メーカー
製品となる。海外メーカーが進出しにくい日本市場だが、データ通信分野では中国メーカーが着々と
勢力を拡大しているようだ。
◇世界中で採用される中国メーカーの3Gモデム
ZTEの名前は、日本では全く知られていないだろう。しかし海外では、すでにメジャーメーカーとして
世界中でビジネスを展開している。ZTEは中国で最大手に位置する通信関連メーカーであり、日本に
端末やインフラ設備などをイー・モバイルに納入しているHuaweiのライバルでもある。消費者が
目にする携帯電話端末を見ても、Vodafoneグループ向けにローエンド端末をOEM供給するなど、
大手事業者からもその製品品質は十分認められているのだ。
また中国内ではCDMA端末で高いシェアを取っており、これまでの出荷台数累計は800万台を
超えている。今年になって中国移動が開始した中国独自開発の3G方式「TD-SCDMA」にも、Linux
ベースの音声端末とデータ通信モデムを供給するなど、その技術力も高い。「中国のマイナーメーカー」
ではないのは当然で、海外の展示会でも毎回必ず展示ブースを見かけるほどだ。
中国で発売されているZTEの3G(TD-SCDMA)端末
URLリンク(journal.mycom.co.jp)
海外の展示会では必ず見かけるZTEブース(MWC2008にて)
URLリンク(journal.mycom.co.jp)
さて、日本でもここ数年で海外メーカーの端末が増えてきている。しかし海外で発売された同類の
モデルが、日本では大幅に遅れて登場することが一般的だ。これは日本では通信事業者が独自の仕様を
設定するため、海外メーカーがそのまま海外のモデルを日本に納入することができないからだ。
コンテンツサービスへの対応にしても、海外では共通の「WAP(Wireless Application Protocol)」規格に
適応していればどのメーカーも平等に市場に参入できる。しかし、日本では事業者が提供する
コンテンツを再生できるように仕様の変更や対応が必要となる。そのため海外で大ヒットした端末で
あっても日本向けには投入までに時間がかかってしまうのだ。このことは、海外メーカーが日本市場に
参入する際の大きな壁にもなっている。
一方、コンテンツサービスを重視していないイー・モバイルは、海外の端末をそのまま日本向けに
導入している。HTCのEMONSTERなどは、周波数帯を変更した以外ハードウェアは海外と全く
同一のものである。このように日本の通信事業者の独自仕様に対応する必要がないのであれば、
海外メーカーの端末をそのまま日本に導入することは容易だ。特にデータ通信モデムは、W-CDMAという
規格に則っていれば技術的にはどのメーカーの製品であっても日本で利用できるはずである。(>>2-5につづく)
ソース:マイコミジャーナル 2008/08/15
URLリンク(journal.mycom.co.jp)