08/08/11 11:50:15
定年後のゆとりある暮らしには夫婦2人で1億円かかるとよく聞く。
しかし、実際にかかるコストは暮らしぶりや住宅ローン残高、健康状態などによって異なる。
リタイア時に必ずしもきっちり1億円持っている必要はないが、海外旅行や高度医療などのコストを上乗せすると、
総額は1億円を超えるケースも出てきそうだ。
夏休みの頭の体操を兼ねて、間単にできる算数ドリル程度の資産を試みてはいかが。
出た数字を見て、汗が引っ込むかもしれない。(中略)
生命保険文化センターが全国の4000人余りに聞き取り調査した「平成19年度 生活保障に関する調査」によると、
回答者が挙げた、「ゆとりある老後」にかかるリタイア世帯の月間生活費は平均で38.3万円。
25年間を掛け合わせると、トータルの生活費支出は約1億1490万円にのぼる。
老後を夫婦2人で暮らしていく上で、必要と考える最低日常生活費は月額23.2万円と、
「ゆとり」ある暮らしよりも15.1万円低かった。この場合でも25年間トータルでは6960万円に膨らむ。
総務省の「全国消費実態調査」には、高度医療の負担や、たびたびの海外旅行、趣味に投じる費用などが
十分に見積もられているわけではない。住宅の建て替えやリフォーム、最近広がりつつある2地域居住も
必ずしもたっぷりとは織り込まれてはいない。その意味では悠々自適のリタイアライフを思い描くのであれば、
計7625万円よりも上積みを考えたほうがよさそうだ。
現在の暮らしとは異なるコストも見越しておきたい。リタイア後に起業するケースでは当初資金が欠かせない。
親・パートナーの介護費、年老いたペットにかかる費用なども現在は発生していなくても、いずれは必要になる可能性がある。
しかも昨今の値上がりラッシュのような事態も想定外だ。
インフレで貨幣価値がそがれていく流れになれば、現在の貯蓄額はインフレ分を割り引いてカウントせざるを得なくなる。
75歳以上が加入する後期高齢者医療制度(長寿医療制度)のようなシニア層の公的負担がさらに重くなる
可能性がある上、年金財政の窮迫を背景に、年金制度の見直しも現実味を帯びつつある。
さらに、まとまった投資資金で収入を得ようと思うのであれば、その分は余裕資金として扱う必要がある。
つまり、急な支出には使えない。資産運用でリターンを期待するなら、別のくくりで運用原資を
キープしておく必要が出てくる。
厚生労働省が想定するモデル世帯の年金は夫婦2人で計23万円程度。
先に挙げたゆとりある生活費支出には毎月約15万円も足りない。
残りは自前資金で埋め合わせしていくしかないわけだ。
月15万円(年間180万円)を単純計算で25年に掛けると、4500万円に達する。
運用に回した余裕資金や、緊急時の手元資金を除いて、4500万円を用立てるのは生易しくはない。
日本経済新聞土曜朝刊の「日経プラスワン」が6月28日付けで掲載した記事「資産1億円で早期リタイアする?」では、
「資産1億円で早期リタイアする」(不動産も含む全財産)と答えた人は3割弱にとどまった。
引退にふさわしい金額は平均で約1億7400万円にのぼった。(以下略)
ソース
URLリンク(waga.nikkei.co.jp)