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ニューヨーク（ウォール・ストリート・ジャーナル）金融総合サービス大手の
アメリカン・エキスプレス（アメックス）（NYSE：AXP）は４月、カード保有者の
利用額が伸び悩んでいるため業績が悪化していると投資家に説明していた。
今はさらに、一部のカード利用者が返済をしなくなっている。
景気減速は、クレジットカードを発行しているあらゆる金融会社を悩ませている。富裕層に
人気があることを誇りとしているアメックスにとっては特に、延滞率の上昇と貸倒償却の
増加が気がかりな問題だ。
アメックスのそうした問題の根源は、同社の融資構造に見いだすことができる。過去数年、
信用の質が極めて良好で延滞率が過去最低に近いほどに低下した時期に、同社の融資額は
急増した。アメックスは、カードの利用額を翌月に一括して支払わなければならない
「チャージカード」で知られるが、ここ数年の大半は、カードの利用額を分割払いできる
クレジットカードの発行に費やした。こうしたクレジットカードのローン残高を反映する
同社の融資額は、１-３月期は752億ドルと、前年同期に比べ19％増えた。
好景気の時期なら、利用者が毎月の返済額を最少に抑えると、カード発行会社は
ローン残高に対する金利をより多く受け取れるため、それでもよいだろう。
だが景気が減速局面に転じ、こうした戦略は試練にさらされている。カード発行会社は、
利用者が全く返済できなくなれば融資額を償却する必要に迫られる。
昨夏、アメックスが2007年４-６月期の融資額の伸びが21％に達したと発表したことを
受け、同社株主の一部はそうした戦略に警鐘を鳴らしていた。
これらの株主は、「このような融資額の伸びは、景気が減速すれば延滞率の上昇や
貸倒償却の増加となって跳ね返ってくる」と懸念を表明していた。そのわずか１カ月後に
資本市場の混乱が始まり、今や信用収縮が消費者向け融資の分野に表れている。
キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズによると、５月時点でアメックスの
カード保有者の3.05％程度が返済期限を30日以上超過しており、この割合は前年同月の
2.39％から増加した。アメックスは５月、融資残高の4.64％を貸倒償却した。
この割合は、前年同月は3.73％だった。このデータは、アメックスが証券化したローンから
算出している。証券化したローンは融資残高の約40％に相当し、返済傾向を正確に
反映する数字と見なされている。
続きます。ソースは
URLﾘﾝｸ(www.nikkei.co.jp)