08/07/11 14:00:23
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１０日の米国株式市場とエージェンシー（政府機関）債市場では、前日に続き、
米政府系住宅金融機関（ＧＳＥ）の米連邦住宅抵当金庫（ファニーメイ）と
米連邦住宅貸付抵当公社（フレディマック）が大幅に下落した。
存続に必要な増資を行う能力をめぐり投資家の懸念が高まっている。
両社の株価は今週大幅に下げ、１０日には１９９１年以来の安値をつけた。これにより、
住宅ローンを買い取り、ローン金利の上昇を抑制するため必要となる資金の調達能力がかなり
抑制されている。フレディマックは２２％急落し８ドルで終了。ファニーメイは１３．８％安の
１３．２０ドルとなった。
この事態を受けて、米政府が規制改革を推進するとの懸念が高まった。
バーナンキ米連邦準備理事会（ＦＲＢ）議長は、フレディマックとファニーメイは、より
厳格な監視と資本増強により、パフォーマンスを向上することができるとの見解を示した。
一方、米連邦住宅公社監督局（ＯＦＨＥＯ）は１０日の市場取引終了後、両社について、
十分な資本と利用可能な資産を持ち、市場での借り入れもできる状態にあると指摘した。
両社の財務状況をめぐっては週を通じて懸念が広がっていたが、ファニーメイと
フレディマックが資金調達できなかった場合の対応策を米政府が協議していると、９日付の
ウォールストリート・ジャーナル（ＷＳＪ）紙が報じたことで一段と懸念が強まり、１０日の
株価急落につながった。
これに加え、プール前セントルイス地区連銀総裁が、ブルームバーグとのインタビューで、
ファニーメイとフレディマックが「破たん状態（insolvent）」にあり、米政府による救済が
必要になるかもしれないとの見方を示したことも懸念をあおった。
両社は、現在の住宅市場の悪化で１１０億ドル以上の損失を出している。住宅ローン市場の
安定化に向けバランスシートを立て直すため、多額の追加資本が必要とみられている。両社は
投資家のおう盛な需要を背景に昨年終盤以降、約２００億ドルの資金を調達しているが、
それ以降株価が下落しており、新たに投資家のサポートを得られるか疑問視されている。
アランＢ．ランツ＆アソシエーツのアラン・ランツ社長は「株価がこれほど急落していること
を踏まえると、今は流動性を高めるには適切なときではない」と指摘。
「株式の希薄化につながる計画は、金融株の下落スパイラルを助長し、言うまでもなく、
全般的なシステムへの信頼感が低下する」と語った。
ポールソン米財務長官は１０日、米下院金融委員会で証言し「ファニーメイや
フレディマックは、住宅市場で重要な役割を担っており、引き続きそうであるべきだ」
との認識を示した。
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