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★「構造的不振」テレビ広告の深刻 番組制作費まで削る
テレビ局が役員報酬カットばかりか、番組の制作費まで削ろうとしている。広告収入の大幅な
落ち込みを受けたものだ。そして、コスト面で有利なバラエティ、通販番組が増えつつあり、
ネット媒体にすり寄る動きすら見せている。
◇「過去10年間で最低レベルの落ち込み」
「構造的な問題がある」
テレビ朝日の君和田正夫社長は、2008年7月1日の定例会見で、広告不振の深刻さをこう嘆いた。
新聞各紙によると、番組の間に流す同社スポットCMの収入が、5月は前年同月に比べ、
15%ほども減った。君和田社長が「過去10年間で最低レベルの落ち込み」と漏らしたほどだ。
この不振を打開するため、同社は6月10日から業績対策緊急本部を設置。そこで検討した結果、
全役員29人を7月から9か月間、平均12%の報酬カットを行うことにした。
また、テレビ東京も7月1日、広告不振で役員報酬を同月から5~15%カットすることを明らかにした。
それに加え、経費削減のため、08年度の番組制作費を約19億円も減額するというのだ。
苦しいのは2社だけではない。民放キー局5社の08年3月期連結決算では、本業のもうけを示す
営業利益は全社が減益になった。
広告不振の理由として、各紙では、原油高インフレによる消費低迷で企業が広告費を抑えて
いることや、ネット媒体への広告掲載が増えていることを挙げている。さらに、テレビ界の事情に詳しい
芸能評論家の肥留間正明さんが指摘するのが、テレビ番組の視聴率低下だ。
「視聴率ベスト30の中に、20%を超えるものは5本ぐらいしかないようになっています。数字が
取れないので、スポンサーがなかなかつかないんですよ」
原因として、肥留間さんは、テレビがつまらなくなったことを挙げる。
「チャンネルをひねっても、マンガ原作のドラマしかない。バラエティ、ジャニーズ系の番組も、
見る前から予想がつきます。制作会社任せで、テレビ局の勉強不足なんです。映画会社が
ダメになった状況とよく似ています」
◇テレビショッピングの通販番組が増える
ますます増えているのが、制作コストを抑えられるバラエティ番組だ。そのあおりで、
報道・情報番組などが相次いで打ち切られていると言われる。
また、肥留間さんは、テレビショッピングの通販番組も増えたと言う。
「昔は、通販と言えば、深夜にやっていました。ところが、今では、日中の番組に通販コーナーがあります」
その背景にあるのが、収益性の高さだ。公正取引委員会から景品表示法違反(優良誤認)の疑いで
警告されたテレビ朝日の通販番組は、乗馬型運動器具「ロデオボーイ2」で1年間約15億円分の売り上げがあった。
(>>2-5につづく)
ソース:J-CASTニュース 2008/7/ 3
URLリンク(www.j-cast.com)
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