08/07/01 07:32:31
人工光や液体肥料を使って屋内で栽培する「工場野菜」の増産投資が近畿圏で相次いでいる。
野菜栽培のベンチャー企業が京都府や福井県で工場を新・増設するほか、トマトなど葉物以外の
農作物の栽培研究を始める。工場野菜は露地物より割高だが、品質にむらがなく無農薬で
安心感があると百貨店や高級スーパー、外食産業などから引き合いが強まっている。
野菜栽培ベンチャーのスプレッド(京都市、稲田信二社長)は7億円を投じ、京都府亀岡市の
野菜工場に新棟を建設する。完成は2009年3月の予定。「ベジタス」の自社ブランドで出荷している
レタス類の日産能力を2.3倍の1万4000株に引き上げる。工場は3月に稼働したばかりだが、
販売が好調で増産を決めた。
新棟では野菜を育てる棚の数も増やして床面積当たりの生産効率を高める。価格は1パック
298円。初年度の09年3月期は1億5000万円の売り上げを目指す。
フェアリーエンジェル(京都市、江本謙次社長)は15億円をかけて福井県美浜町に建設中の
新工場で、トマトやイチゴなどの栽培研究に乗り出す。2―3年後の本格出荷を目指している。
工場野菜は一般に短期間で栽培できる葉物が中心。より付加価値の高い品種に対象を広げ、
同業他社をリードしたい考えだ。
新工場は京都府、千葉県に続く3カ所目の拠点で、8月に稼働する。「てんしの光やさい」
(360円、450円)の銘柄で販売しているレタス、水菜、春菊などを合計で1日1万株生産する。
工場では発光ダイオード(LED)と太陽電池を組み合わせて照明コストを抑える実験も今秋から
始める計画だ。
同社は08年6月期に前の期比2.3倍の2億5000万円の売上高を見込む。三菱化学から2億5000万円
(16%)の出資も受けて、業容を拡大する。
JFEホールディングス傘下のJFEライフ(東京・台東、秋田邦生社長)も関西で野菜工場の新設に
向けた検討を始めた。兵庫県三田市の工場はフル稼働中で、レタス類を1日6500パック出荷している。
1999年の開設から4度の増床で「今の敷地は手いっぱいの状況」(JFEライフ)にあるという。
同工場では人工光と太陽光を組み合わせて運営コストを抑制。1パック200円程度と手ごろな
価格の「エコ作」銘柄で出荷している。近畿のスーパーや食品加工業者から注文が増えている。
同社によると、工場野菜の国内出荷量は年間で2750トン前後。80年代から野菜工場を運営してきた
キユーピーなどの大手に加え、ベンチャーの参入も相次いで市場は拡大傾向にあるという。
▽News Source NIKKEI NET 2008年07月01日
URLリンク(www.nikkei.co.jp)
フェアリーエンジェルはクリーンルームで栽培(京都市北区)
URLリンク(www.nikkei.co.jp)
JFEライフは日光をランプの光で補って栽培(兵庫県三田市)
URLリンク(www.nikkei.co.jp)
▽フェアリーエンジェル
URLリンク(www.fairyangel.co.jp)
▽JFEライフ
URLリンク(www.jfe-life.co.jp)
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