08/06/30 07:45:50
消費税率引き上げに関する福田康夫首相の発言が揺れる中、基礎年金の国庫負担割合を
現在の約37%から09年度に50%へ引き上げる政府方針も揺らぎ始めた。04年の年金改革は
09年度から基礎年金の半分に税を充てることを前提に設計されている。実現が遅れると、
「現役世代の平均手取りの50%を年金で給付する」とした政府公約を守れない事態にも
つながりかねない。
国庫負担割合を50%にするには、約2.3兆円の新たな財源が必要となる。政府・与党は1%
引き上げで約2.5兆円の税収増を見込める消費税増税で対応することを暗黙の了解としてきた。
ところが昨年の参院選で与党が惨敗後、税率アップの方針はぶれるばかり。福田首相は17日に
「決断しなければいけない大事な時期」と税率引き上げは不可避とする認識を示したが、23日の
記者会見で「2~3年とか長い単位で考えたもの」と軌道修正。内外に「増税先送り」と
受け止められた。
年金改革では、保険料負担で、04年度に年収の13.58%だった厚生年金の保険料率を、
段階的に17年度に18.30%まで引き上げる。こうした負担増を求める一方で、政府・与党は、
現役世代の平均手取り賃金に対する年金額の割合(給付水準)について「50%は切らない」と確約し、
法律にも明記した経緯がある。国庫負担割合の引き上げは、こうした年金改革の大前提だった。
厚生労働省によると、国庫負担増が1年遅れるごとに給付水準は0.2ポイントずつ低下。
09年度の実施が1年ずれ込むだけで、50%を維持できるかどうかぎりぎりの水準になる。
消費税増税の代替財源として、たばこ増税や、150兆円ある年金積立金の流用もささやかれる。
しかし積立金は計画的に取り崩して給付に充てることが決まっており、中長期のつまみ食いは
年金財政に穴を開ける。
24日の自民党役員会後、元厚労相の尾辻秀久・党参院議員会長は伊吹文明幹事長を呼び止め、
「首相発言と、国庫負担割合引き上げとの兼ね合いはどうするのか」と詰め寄ったが、自民党内
には次期衆院選への影響を恐れ、増税先送りムードも漂う。年金財政の行方は不透明さを
増している。【堀井恵里子】
▽News Source 毎日jp 毎日新聞 2008年6月30日2時30分
URLリンク(mainichi.jp)
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