08/06/14 18:56:31
【ワシントン=渡辺浩生】米最大の穀物地帯で「コーンベルト」と呼ばれる中西部の農地が
記録的な豪雨や洪水に見舞われ、トウモロコシや大豆の生産に影響が広がっている。
バイオ燃料の原料として需要が過熱する最中の供給不安だけに、トウモロコシの
先物価格は初めて1ブッシェル=7ドルを突破した。飼料としても使われるトウモロコシの
生産に影響が広がれば、食肉や乳製品など食料価格の高騰に拍車がかかるのは必至だ。
米国はトウモロコシ生産の40%を占める最大の生産国かつ輸出国。最大の産地アイオワ州など
中西部では、春季の長雨でトウモロコシと大豆の植え付けが大幅に遅れていた。さらに、
今月に入って集中豪雨と洪水で農地は水浸しとなっており、植え付けがまだ終わっていない
農地はさらに遅れ、植え直しが必要な農地もある。アイオワ州では、大豆の14%がまだ植えられていないという。
こうした事態を受けて、穀物価格は急騰しており、シカゴ商品取引所のトウモロコシ先物価格は
11日、7月渡しが1ブッシェル=7ドル台に上昇。大豆も1ブッシェル=15ドル台に乗り、
3月につけた最高値15・96ドルに迫っている。
バイオ燃料の原料や中国など途上国の需要拡大で、トウモロコシ価格は過去1年間で83%、こ
の1カ月で17%も上昇した。さらに今回の悪天候が重なり、「今後8ドル50セント~9ドルもあり得る」
(市場関係者)という見方も出ている。
農務省は10日、今年のトウモロコシ生産量の予測を昨年比10%減の117億ブッシェルに
下方修正したが、このままでは再修正は必至。今年は生産量の約4分の1がバイオ燃料向けとなる
見通しだが、価格沈静化に、バイオ燃料計画の修正を求める声も一段と高まるとみられる。
食糧問題に詳しい米シンクタンク、地球政策研究所のレスター・ブラウン所長は「植え付けの
遅れでトウモロコシの受粉期が真夏にずれ込めば、生産量は低下し、世界の食料価格に波及する」と
指摘。中西部では大雨で穀物収穫が過去20年で最悪の水準となった「1993年の再来」という声も
上がっている。
引用元
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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