08/06/06 15:51:14
中国の経済発展や、日本人駐在者の増加などに伴って、中国への進出を検討する
日本の歯科医が増えている。
駐在する日本人に比べ日本人歯科医が大幅に不足しているうえ、食品から家電まで良質な
日本製品には金を惜しまない中国の富裕層が、歯科医療でも“メード・イン・ジャパン”
を求めているためという。医療貢献と市場拡大の両方につながるとあって、
リスクを冒しても進出を目指す歯科医グループもでてきた。
グループは関西を拠点にする歯科医らで作る「WA?和・輪」。国境を越えて医療貢献を
果たしたいという願いを込め、英語の「ワールドワイド・アソシエーション」
(世界的組織)を略して名付けた。
京都府亀岡市で開業する泉要佑会長(48)が知人の歯科医や歯科技工士に呼びかけて
結成し、昨年1月から海外視察や勉強会を定期的に開催。中国では日本の歯科医師免許が
あると、当局の許可を得るだけで滞在する外国人を診療できるとあって、
メンバー35人の中には、すでに現地で開業した歯科医もいる。
上海市で開業した歯科医によると、ビジネスや留学などで同市に長期滞在する日本人
約8万人。これに対し、日本人歯科医はわずか10人ほど。矯正など長期の治療で帰国後も
ケアが必要になるケースがあるほか、痛みの微妙なニュアンスを日本語で伝えたいという
ニーズがある。
一方、中国人富裕層も、手先が器用で高度な技術を持つ日本人歯科医への信頼が厚い。
高額な医療費をいとわないため患者の単価が高く、「日本だと1日30-40人診て月収
100万円だが、中国だと数人で80万円ほど」。中国人歯科医を技術指導しながら、
富裕層を診療する地方もあるという。
歯科医が中国を目指す背景には、日本での歯科医増加と収入減がある。厚生労働省によると、
全国の歯科医数は18年末で9万7198人にのぼり、10年間で1万人以上増えた。
収入も減っており、中央社会医療保険協議会(中医協)が昨年10月にまとめた
医療経済実態調査では、開業歯科医のもうけを示す収支差額は月額122万円余で、
2年前から9%減少した。
ただ現地での開業は中国側との合弁になるため、パートナーの選定や報酬などをめぐる
トラブルが多いのも事実だ。
WAでは医療貢献を第一に考え、中国以外にもタイやベトナムなど、歯科医が少なく
医療技術が発展途上にある国への進出を視野に入れており、診療現場に即した学術の会の
結成を検討。
手始めに6日には、世界約20カ国が参加する北京デンタルショー(5-8日)に合わせ、
泉会長と大阪府岸和田市の開業歯科医、中井大介副会長(37)が日本の歯科事情について
講演。四川大地震の震源地に近い成都市の歯科医院も視察する。
泉会長は「中国の市場規模は大きく経済的な魅力はあるが、日本人歯科医が中国で必ず
成功するわけではない。しかし今後は中国人にも現地の日本人に対しても医療貢献が
重要になってくるので、積極的な進出を促したい」と話している。
ソースは
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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