08/06/06 15:27:41
時速500キロの高速鉄道、リニア中央新幹線が建設に向けて動きを加速させている。
JR東海が昨年末、全額自己負担で2025年の開業を目指す方針を示したからだ。
長野など9都府県は、リニア中央エクスプレス建設促進期成同盟会などを通じ
早期実現を働き掛けてきた。期待は膨らむ。
しかし県内ルートをめぐり、JR東海の意向と長野県側の要望には隔たりがある。
リニア構想実現への道を切り開くためにも、JR東海は地域の声に耳を傾けながら
準備を進めるべきだ。
リニアモーターカーは磁石の力を利用し、地上から浮いて走行する。
宮崎、山梨の両実験線で実験走行を重ね、実用化の技術レベルになった。
中国・上海ではすでに営業運転している。
夢の超特急は東京-大阪間を1時間余りで結ぶ。沿線にとって大切な足になる。
東海道新幹線のバイパスとして、さらに地震への備えからも、重要度は高い。
JR東海は先行して、首都圏-中京圏を開業する意向だ。南アルプスをトンネルで貫き、
飯田下伊那地方を通って、ほぼ直線で結ぶルートを想定している。
距離が短いほど運行時間は縮まり、建設費も抑えられる。全長は約290キロ。
事業費は約5兆1000億円を見込む。
これに対して長野県は、諏訪や上伊那地方も回る「Bルート」を求めている。危機感は強い。
JR東海は「都市間の超高速の専用線」と位置付ける。開業しても県内をノンストップで
通過するなら利便性に乏しい。使い勝手を良くしなければならない。
途中に駅を置く場合、地元負担が必要になるという。いずれにしろ地域の協力が欠かせない。
中央新幹線の基本計画は1973年に決まった。現在、地形や地質の調査などが進む。
30年以上たった計画を動かそうと、JR東海は国の財政支援を受けずに自前で建設する道を
選んだ。
けれど、国家的プロジェクトであることに変わりない。国の関与がなくなるわけではないし、
なくすべきではない。国が沿線自治体の意見などを踏まえて、ルートも決められる。
地元の意向は大事なポイントの一つだ。
東京都内で4日に開かれたリニア同盟会の総会では「沿線自治体と十分調整すること」
などを求める決議が採択された。
高速鉄道は公共交通機関の役割を担う。長野県をはじめ、沿線としっかり連携してほしい。
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