08/06/05 12:20:02
東海地方の富裕層をターゲットに、高級輸入車メーカーが営業活動を強化している。
イタリアの超高級車、フェラーリとマセラティのサービス工場が名古屋市内にオープン
したほか、今年４月にはアウディ日本法人が名古屋市で新車発表会を開いた。
東京、大阪という大消費地のはざまにある名古屋は、トヨタ自動車のおひざ元でもあり、
他の自動車メーカーにとって「攻めにくい」地域でもあった。今後、高級車市場の
勢力図に変化が起こるかどうか、注目される。
フェラーリとマセラティのサービス工場は、日本での販売・修理を担当する
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド（東京都港区）が、名古屋市千種区の
販売店に併設されていた工場部分を移転し、名古屋市の金山総合駅近くにオープンした。
車を持ち上げるリフトなどを備えた「ベイ」と呼ばれたサービススペースを、従来の
約２倍の１３に増やした。さらに、「超高級車のユーザーは、プライバシーを最も気にする」
（大津文男ブランド・マネジメント部長）ため、預かった高級車は建物の２-３階にある
「ベイ」に運び、愛車が外部から見えない構造にした。また、東京や大阪では、用地の
確保が難しいため、サービス工場は郊外に立地せざるを得ないという。大都市圏の中心部に
工場を設置できたのは名古屋の新工場が初めてだ。
この結果、中心部で生活する富裕層に対し、十分なアフターサービスなどを
提供できる期待が高い。
また、アウディ日本法人は、東海・北陸地方での高級輸入車の市場占有率（シェア）を、
現在の１５％から、２０１７年に２０％に引き上げることを目指している。道路が広く、
東京などよりも渋滞が少なく、「ドライバーが走る歓びを体感しやすい」（幹部）という。
また、「全国水準よりも景気が堅調で、高級輸入車の購入層は今後も伸びる」
（ドミニク・ベッシュ社長）との期待もあるからだ。
トヨタの「レクサス」ブランドとの競合についてアウディ日本法人は、「真の欧州車と
レクサスは設計思想が異なる」（幹部）と強気の姿勢だ。しかし、名古屋のユーザーは
「他地域よりも、車に対する要求が高い」（ベッシュ社長）といわれ、高級車メーカー各社は、
「名古屋基準」ともいえる丁寧な接客や修理を徹底し、レクサス以上の
ブランドイメージ確立を目指している。
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