08/06/02 10:56:54
-続きです-
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そもそも日本のメーカー各社とも、PNDが普及する以前から、その存在を認識しては
いた。だが、ある大手メーカー首脳は「機能で勝るインダッシュ型にPNDが勝てるはずが
ない」と歯牙にもかけなかったという。その技術重視、消費者不在の発想こそが、致命的な
判断ミスを招くことになった。思惑に反し、PNDは欧米カーナビ市場を制覇し、
ついに日本にも上陸したのである。
すでにインダッシュ型の市販市場が出来上がっている日本で、PNDがどれほど成長するか
は、今のところ読みにくい。大手カーAVメーカー幹部は「高機能のインダッシュ型と
コンパクトなPNDはすみ分けるだろう。インダッシュ型がなくなることはない」と読む。
中・大型車はインダッシュ型、値段が安くスペースが狭い小型・軽自動車はPNDが
多くなるという見立てだ。
もちろん、欧米のように、日本で大化けする可能性も十分ある。「インダッシュ型の
値段は32型の薄型テレビより高い。消費者がいつまでも、そんな高いナビにおカネを
払い続けるとは限らない」(ある電子機器調査会社の幹部)からだ。
日本の大手カーAVメーカーがこぞってPNDを発売し市場を拡大させれば、
インダッシュ型市場は侵食され、これまでインダッシュ型に大金をつぎ込んできた
メーカー自身の首を締めることにもなりかねない。まだ市場が伸びる純正品が軸の
アルパインやクラリオンはまだしも、市販が柱のパイオニアなどは、きつい立場に
追い込まれる可能性がある。市販されているインダッシュ型は、日本という成熟市場でしか
通用しないニッチな製品に追い込まれただけでなく、その先には“絶滅”の可能性さえ
待ち構えているのである。
-以上です-
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