08/05/31 12:38:51
★ブランド信仰の日本でブランド離れ?―フィナンシャル・タイムズ
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日本市場に賭ける―。ギョーム・ブロシャールのこの思惑はピタリと当たった。ダイヤモンドを
ちりばめたパンダのジュエリーは、1日で売り切れた。
キラキラまぶしいマスコットは、高さ6センチ。15カラット分のダイヤと、1万9000ユーロ(約310万円)の
値札つきで、日本向けに5個だけが限定生産されたものだ。メーカーは、ブロシャール氏と香港在住の
デザイナー、デニス・チャンが5年前に共同で立ち上げた仏中ジュエリーブランド「キーリン(Qeelin)」。
キーリンのジュエリーは、クマや鈴や蓮根をモチーフにしたペンダントが中心。日本では六本木などに
店舗があり、ヒットしている。ブロシャール氏によると、限定バージョンのパンダよりも小さめで(やや)
お手ごろ価格のパンダ・ペンダントを「友だちに配るため」と27個も買っていった女性もいたという。
キーリンは宣伝をしない。そして日本に進出した際はほとんど全く無名で、カルティエやブルガリと
いった巨大ライバルのような実績も販売網も持たなかった。しかし数年前と違って今ではそれは
大した問題ではないとブロシャール氏。特に、トップクラスの顧客のみをターゲットにした場合は、
問題ないのだそうだ。
「日本には今、いわゆる従来型の『マス・ラグジュアリ(大衆的なぜいたく品)』から距離をおこうとする
エリート層がいる。この人たちは本当の意味でのラグジュアリ、ぜいたくを求めていて、それはつまり
一般には出回らないレアなもの、ということになる」とブロシャール氏は言う。
別の言い方をするとつまり最近の日本の金持ちは、誰でも一目見てわかるブランド品は求めていない。
自分と同じように金持ちで趣味の良い仲間にだけ、価値が分かってもらえて褒めてもらえる商品を
求めているのだ。世間一般が分からなくても、それは構わないということだ。
ブランド信仰の激しい市場として悪名をはせてきた日本において、これは大転換だ。そしてブランド
市場として急成長しつつある中国との、特徴的な違いにもなっている。
「中国人はまだこのレベルには達していない。中国人はまだ、100メートル先からでも一目で分かる
ブランド品が好きなのです」とブロシャール氏。>>2に続く
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