08/05/27 21:11:29
愛知県の「尾張」と「西三河」地方の各種データを比較し、
域内総生産や人口増加の勢いなどで総合的に西三河に軍配が上がるとのリポートを、
共立総合研究所がまとめた。
堅調な自動車産業に支えられた西三河地方の好調ぶりが浮き彫りになっており、
担当した江口忍・主席研究員は、「名古屋が元気だとよく言われるが、本当に元気なのは西三河だ」
と総括している。
リポートによると、「一人あたり域内総生産」について、愛知県平均を100とした場合、
1996年度は西三河が112、名古屋を含む尾張は96で、16ポイント差だった。
それが、トヨタグループの輸出が拡大した2000年度から西三河の域内総生産が急上昇し、
一方の尾張は下降線をたどり、2005年度には西三河が125、尾張は93で、
32ポイント差に拡大した。
西三河には、トヨタ自動車をはじめ、デンソー、アイシン精機、豊田自動織機などの
グループ企業が集積し、自動車生産の急拡大に伴って地域が成長を続けてきたことが、
域内総生産の高い伸びにつながった。
また、1955年から2005年にかけて50年間の人口増加率は、
尾張が1・94倍なのに対し、西三河は2・25倍にのぼる。
トヨタグループが、県外から大量に従業員を採用してきたことが、一因とみられる。
さらに、住民の所得水準については、1970年に尾張が西三河を1割程度上回っていたが、
90年以降は西三河が逆転している。
ただ、西三河にとっての懸念材料も指摘した。
西三河は、生産量の拡大に人材確保が追いつかず、トヨタグループは九州や東北に
生産拠点を分散する動きが目立っており、
「今後もこうした動きが進めば、将来的に西三河の成長を鈍化させる懸念がある」とした。
江口氏は「(人材確保のため)西三河は名古屋より住みやすいといったイメージを
定着させないといけない。西三河が今後も成長を続けるには住環境の整備が重要だ」
と指摘している。
ソース
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