08/05/24 22:20:57
大企業による中途(キャリア)採用が活発だ。先週、東芝が08年度の中途採用を07年度の
2倍の800人に増やすと報じられたが、数十人増の企業は重電・家電、鉄鋼をはじめ、ソフト関連、
流通など多岐にわたる。この背景には、単に「団塊世代の退職に伴う人員補充」というだけではない
事情があるようだ。
ここ数年400人規模で中途採用をしている三菱重工業の08年度枠は、07年度より110人多い
490人を計画している。同社は今、「春のキャリア採用フェア」の真っ最中。6月中旬まで毎週末、
東京、大阪、名古屋、福岡のいずれかの会場で説明会を開催する。熱心なことだ。
従来、大企業の採用は新卒が原則だったが、その“純血主義”が変わってきている。
家電幹部がこう明かす。
「重工や東芝が主に求める人材は、半導体や原子力発電、あるいは航空機という
国内で不足している分野です。技術者はもちろんですが、営業、さらに法務など管理部門も含みます。
人事担当者は必死で、『今日、明日のうちに欲しい』とリクルーターに催促している。
キャリアがあれば高学歴でなくてもいい、転職回数は問わないと伝えています」
エリート集団がこれほど“下手”に出るとは。彼らが急ぐ理由は何か。
人事コンサルタントの菅野宏三氏が言う。
「新卒が育つまで約5年かかるため、商機を失うことを恐れているのです。
経験を積んだ25歳から35歳までの生きのいい人を入れてビジネスを成功させる。
彼らの年齢なら次の展開も開けると考えています。単に団塊世代の穴埋めではありません」
中途採用は新卒時に入れなかった大企業に転職するチャンス。逃す手はない。
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