08/05/02 11:21:34
高精細(HD)ビデオプレーヤーが消費者から敬遠されてきたのは、結局のところ、
HD DVDとBlu-ray間の規格争いが原因ではなかったようだ。
NPD Groupは米国時間4月30日、スタンドアローン型のBlu-rayプレーヤー(PlayStation 3、
コンボプレーヤー、Blu-rayドライブを搭載するPCを除く)の販売台数が、2008年初めから
減少傾向にあることを示す、いくつかの小売販売状況をトラッキングした最新データを発表した。
NPDによると、米国内におけるスタンドアローン型のBlu-rayプレーヤー販売台数は、1月から
2月にかけては40%減少し、2月から3月にかけては、2%という非常にわずかな増加に転じた。
HD DVDプレーヤーの状況はもっと悪い。予想されてはいたが、HD DVDプレーヤーの販売台数
は、1月から2月にかけては13%減、2月から3月にかけては65%減となった。
東芝は2月にHD DVD製造事業から撤退し、HD DVDプロモーショングループは3月に解散した。
では、これはBlu-rayプレーヤーベンダーにとって、何を意味するものとなるだろうか?なぜ、
競争相手が消え去ったにもかかわらず、(Blu-rayプレーヤーの)販売が大幅に伸びるといった
状況が生じなかったのだろうか?販売価格は、その一要因を握っている。Blu-rayプレーヤーの
販売価格は、3月中旬に約400ドルとなり、ピークを迎えた。2007年末のホリデーショッピング
シーズン中には、平均販売価格は300ドルに近づいていた。
しかしながら、もっと大きな要因として考えられるのは、NPDの高精細ビデオ担当アナリストが、
しばらくの間繰り返し言及してきたことではあるが、(従来の)DVD規格が、大半の消費者に
とって「十分に良いものである」という点にある。つまり、Blu-ray Discと対応プレーヤーに
よって実現する画質は、標準的なDVDやアップコンバート対応プレーヤーの画質と比べて、
劇的に向上するといったものではないため、多くの消費者は、大幅に増加する
(Blu-ray導入の)コストには見合わないと考えてしまっているのだ。
このことを裏付けるものとして、かなり低価格のアップコンバート対応のDVDプレーヤー販売
台数は、2008年第1四半期中に、前年同期比で実に5%増となった。標準的なDVDプレーヤーの
販売台数は、同時期に39%減となっている。
初期の購入者層や、ホームシアターの熱心な愛好家層の域を超え、もっと一般的な消費者層に
魅力的な製品とするためには、Blu-rayプレーヤーの販売価格は、おそらく200ドルくらいまで
劇的に下がらねばならないだろう。しかしながら、Blu-rayプレーヤーの最大製造メーカーに
名を連ねるソニーは、200ドルのBlu-rayプレーヤー発売は、早くとも2009年までは
ありそうにないと述べている。
ソースは
URLリンク(it.nikkei.co.jp)