08/05/02 07:45:50
バイオ燃料ブームや人口増による世界的な穀物増産で、肥料の原料価格が高騰している。
中でも原産国が限られる主成分リンは5倍以上に。日本でも影響が出始めており、全国農業協同組合
連合会(JA全農)や自治体が、下水汚泥のリンを再利用するなど自衛策に乗り出した。
リンと窒素、カリウムは肥料の3大要素といわれる。JA全農などによると、これらの国際価格は
05年ごろから上昇し始めた。加工前のリン鉱石は、今年3月には1トン当たり約3万8000円となり、
1年で5倍以上の急騰。窒素、カリウムも2年で2~3倍になり、史上最高値だ。
穀物増産で、米国、中国、ブラジル、インドが肥料の原料を大量に買い付けていることが
主な原因。特にリンは2大生産国の米中が食糧安全保障上の資源と位置づけ、輸出制限を始めた。
日本は100%海外に頼り、年間70万トンを輸入している。
その影響で日本では今春、肥料価格が1~2割上昇した。野菜や水稲などの生産コストのうち
肥料の割合は1割前後で、作物価格にすぐ跳ね返る心配は少ないが、じわりと影を落とす。
対策も始まった。日本の農地にはこれまでの施肥で、推定1500万トン以上のリンが残留している。
そこでJA全農は今年から、残留が多い農耕地では、リン成分を少なくした肥料を試験的に使う
計画だ。土壌成分を測定できる分析器も開発、リンなどの成分比を変えた肥料も販売する。
岐阜市は09年度から、下水汚泥に含まれるリンを回収、年間500トンの肥料を生産する。
群馬県や福岡市はすでに肥料を生産している。JA全農は、鶏ふんからリンを回収する事業を
本格化させる。
JA全農肥料農薬部の矢作学・主任調査役は「価格上昇が続けば、肥料の使用を控える生産者も
出てきて、作物の品質、収量が落ちる心配がある」と話している。(石田勲)
▽News Source asahi.com 2008年05月02日03時03分
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