08/05/02 00:40:32
高齢化で農家の廃業が加速する
世界的に「食」の需要が拡大している中、
日本はこれまでのように輸入だけに頼れないことが見えてきた。
だが、本来、日本の「食」を賄うべき農業の実態は、恐ろしい状態にある。
下のグラフを見ていただきたい。
2005年の「農林業センサス」を基にした農業従事者の年齢構成である。
日常、主に農業に従事している「基幹的農業労働者」を見ると、
もっとも多いのは70歳以上で、全体のほぼ 4割。
60代も3割おり、60歳以上が全体の7割を占めている。
一方、30代以下は、わずか5%。
50歳未満に広げても、13%でしかない。
年齢平均はなんと 64.2歳。
もちろん、日頃サラリーマンをしながら、土日だけ農業をする兼業農家の働き手は、ここには入っていないが、
日本の農業が、高齢者の労働力に頼っている現状が如実に分かる。
働き手の7割が60歳以上
農家戸数そのものも減っている。
ピーク時には600万戸を超えていた総農家数は2005年にはおよそ284万戸と半数以下へと減少した。
2000年から2005年までの5年間で28万戸も減っている。
特に「経営耕地面積が30a以上か農産物販売金額が年間50万円以上」で、
農家の中核ともいえる存在の「販売農家」の減少が著しい。
販売農家の中でも、農業収入が半分以上を占める「主業農家」は、農家総数の約15%でしかなく、
大半の農家は農業外収入と年金によって辛うじて生計を保っている状態だ。
そしてそれと歩みを同じくするかのように、耕作放棄地面積はジワジワ増えている。
2005年の段階で、38万haあまり。
耕地面積の8%強を占めるまでになってきた。
今後 10年で70歳以上は引退を余儀なくされるだろう。
これから生産量を増やし、安全性を高めなければならないにもかかわらず、
高齢化や後継者難によって廃業が加速するという将来の姿は確実に予測できる。
政府はこうした危機的状況の解決策として、農家の大規模化と組織化を進めている。
資本と経営を分離し、次世代の農業を担う意欲と能力のある事業者を認定し、
そこに集中的・重点的に施策を実施することで、農業を再活性化しようという意図だ。
実際、様々な施策により、2007年末で約2400もの特定農業法人・特定農業団体が設立された。
その点では、一定の成果は上がっているが、まだまだ農地の集約化は進んでおらず、
抜本的な改革が実行されているとは言い難い。
>>2に続く
ソース:日経レストラン
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