08/04/20 23:43:22
県立、広島市立の計8病院で、患者が1年以上医療費を支払わない「未収金」が2006年度までで
約3億6800万円(計1万1404件)にのぼり、このうち約8100万円分(1993件)が「債権の時効」3年を超え、
事実上、回収不能となっていることが分かった。各病院の経営は厳しく、県や市では法的措置を
講じ、回収に乗り出している。
県によると、未収金は、02年度の医療制度改革で医療費の自己負担額が増加するなどしたこと
から、年々増えている。さらに05年11月の最高裁判決で、公立病院の医療費未払い分の時効が
5年から3年へと短縮されたことで、回収が難しくなっているという。
県立4病院では、未収金約1億円(2570件)のうち、時効を過ぎた額が6割超の6257万円(1527件)を
占め、「公的機関だから払う必要はない」と支払いを拒否する悪質なケースもあるという。
県は、支払い督促後に差し押さえた場合、時効が中断されることから、昨年8月、簡裁の
支払督促制度を試験的に利用、時効前で80~20万円が未払いの広島市内の男女3人に財産を
差し押さえる督促状を通知。うち2人は分割払いに合意したという。
今年度はこうした制度による回収を強化する方針で、県県立病院課は「時効を過ぎた未収金の
回収は厳しいが、病院の収益から穴埋めさせないためにも、支払いを求めていく。逃げ得は
許さない」という。
一方、未収金約2億6800万円(8834件)がある市立4病院を抱える市も、05年度から同制度を適用。
時効額は約1800万円(466件)にのぼる。05、06年度に11件の督促を行ったが、全額支払ったのは
1件、分割払いは5件で、残りの5件は回収のめどすら立っていないという。
ただ、11件の多くが、支払い能力のない高齢者らで市病院事業局財務課は「社会的弱者の
財産を差し押さえることまではできない」とジレンマも見せる。
昨年6月の厚生労働省の検討会では、日本病院会などからなる四病院団体協議会の調査で、
04年度に発生した未収金は約3000施設で約219億円にのぼったことが報告された。同省保険局は
「入院時から患者の支払い能力や親族の連絡先を確認するなど未収金が発生しにくい方策を
考えるしかない」としている。
▽News Source YOMIURI ONLINE(2008年4月20日 読売新聞)
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