08/04/20 03:32:25
◎ソース 毎日jp
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山々に囲まれた青森県・陸奥湾。大小約200の川からミネラルを豊富に含む水が流れ込み、
「貝の王様」ホタテの好漁場をはぐくんできた。その漁解禁初日の5日、死者6人、行方不明2人
を出すホタテ漁船「日光丸」(5.1トン)の遭難事故は起きた。
乗組員の大半は「アルバイト漁師」だった。
「あすは、おらも行ってみる」。船長の川村春光さん(74)=死亡=は前日、所属する青森市
漁協久栗坂(くぐりざか)支所の組合員ら約15人と食事をした。昨春体調を崩して入院後、
出漁の機会はめっきり減っただけに上機嫌だった。
数年前から川村さんのホタテ養殖を手伝ってきた松本幹二郎さん(28)=死亡=は隣の平内
(ひらない)町の実家に泊まっていた。約50キロ離れたおいらせ町の自宅に幼い長男と一緒に
いる妻(29)には「朝1時から漁に行くのでもう寝ます」と携帯メールを送った。
妻は「ちゃんと食べて仕事してください」と返信した。
松本さんは中学卒業後、県立の水産訓練校で漁業を学び、ロシア沖のスケトウダラ漁など遠洋漁業
に従事。「中卒で年収600万円」が誇りだった。ただ、歩合制で不安定だったこともあり、
近海操業やトラック運転手などに仕事を変えた。一時期、貨物船にも乗っていたが、中学の同級生
で漁師の熊谷司さん(28)には「合わねえ。やっぱり自分で魚とる仕事でねば」と、漁業への
愛着を話していた。
そんな松本さんのことを、後継者のいない川村さんは「いい若いもんだから後継ぎに」と周囲に
話し、大きな期待をかけていた。
2人の思いを乗せた日光丸は午前3時半すぎ沈んだ。うねりが出て港に引き返す途中、後方から
「追い波」を受けた可能性が指摘されている。
>>2以降に続く