08/04/16 22:47:32
日本発の国際航空貨物便の運送代金の一部をめぐり、大手運送会社が価格カルテルを
結んでいた疑いがあるとして、公正取引委員会は16日、日本通運と近鉄エクスプレス、
日本郵船系列の郵船航空サービス(いずれも東京)の大手3社を含む計13社に対し、
独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査に入った。
他に立ち入りを受けているのは▽西日本鉄道(福岡)▽阪急エクスプレス(大阪)▽日新(神奈川)などと、
業界団体の「航空貨物運送協会」。検査対象は本社や支店など計約20カ所。
国際宅配便と合わせた年間の市場規模は約6400億円で、上位3社で5割近いシェアがあるという。
国際航空による貨物輸送は輸出・輸入ともに年間約160万トン。電子部品などの機械機器を中心に
貿易総額の約3割を占める。
問題となっているのは、各運送会社が自動車メーカーや大手電機メーカーなど、
複数の荷主から電子機器などの小口貨物を引き受け、送り先ごとに荷物をコンテナへ詰め直して
航空会社に渡す業務。業界では「混載業者」「フォワーダー」などと呼ばれている。
各社は、航空会社から機内の貨物スペースを買い取ってコンテナを積み込む。
運賃には、原油価格上昇分を吸収するために航空会社が設定した「燃油サーチャージ」という
付加運賃も含まれており、あわせた金額を航空会社に支払っている。
関係者によると、運送各社は04年以降、荷主との価格交渉の際に、燃油サーチャージの上昇分を
「燃油サーチャージ加算」などと称して一定割合を乗じ、その金額を荷主側に転嫁させることなどで
合意した疑いがもたれている。
日本では、航空会社同士が決める国際航空貨物運賃も燃油サーチャージも独占禁止法の
適用除外とされているが、公取委は、利用者である運送会社がこの適用除外に便乗し、
横並びで転嫁していたとみている。
米司法省や欧州委員会も昨年10月、大手国際運送会社が貨物運賃や貨物の
燃油サーチャージをめぐって価格カルテルを結んでいた疑いがあるとして調査している。
大手3社は「公取委の調べには協力していく」などと話している。
〈燃油サーチャージ=燃油特別付加運賃〉
航空機や船の燃料のもとになる原油価格の高騰で、営業努力が及ばないほどの燃料の値上がりに対し、
運賃本体とは別建てで燃料費の一部を徴収する付加運賃。
日本の国際航空便は、貨物が01年、旅客が05年から導入した。
シンガポール市場のジェット燃料(ケロシン)価格を指標として3カ月ごとに見直され、
航空会社が国土交通大臣の認可を受けて改定する。
ソース
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