08/04/14 23:00:04
日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は4月14日、ユーザー企業のIT部門を対象にした
定例の調査結果を発表した。今回はシステムのライフサイクルにフォーカスした質問を行った。
多くの企業ではここ10年以内に基幹業務システムを刷新しているものの、
10%の大企業では21年以上利用していて、「昭和生まれ」のシステムが生き残っていることが分かった。(中略)
結果の中で興味深いのはシステムのライフサイクルに関する内容だ。
基幹業務システムの開発時期を尋ねる質問では、「10年以内に開発した」と答えた企業が全体の70%を占めた。
ただ、「11~20年前」と答えた企業が18%、「21年以上前」と答えた企業も全体で8%あった。
「21年以上前」の基幹業務システムは、従業員1000人以上の大企業では10%あり、
「昭和生まれ」のシステムが意外に多く残っていることが分かる。
21年以上使い続けているシステムの代表は製鉄の基幹システムだ。
重厚長大企業の製造システムは高信頼と安定稼働が求められる。
システムの刷新は多くの場合、一時的に不安定となることがあり、避けられることが多い。
同じ調査では基幹業務システムを今後、1~5年で変更したいとする企業は全体の53%。
6~10年で刷新するという企業を合わせると80%の企業が10年以内の刷新を考えている。
ただ、11年超や「業務を変更しない限り既存システムをずっと使いたい」という企業も合計すると19%ある。
システムのライフサイクルを考える上で問題になるのは、ユーザー企業が考えるシステムの期間と、
ベンダが考える期間のギャップだ。
ユーザー企業が考える基幹業務システムのライフサイクルは平均13.6年。対して、JUASが行った調査によると、
ベンダが考える基幹業務システムのライフサイクルは10年以下がほとんどだった。
企業はベンダが考える限界を超えて、基幹業務システムを使うケースがあるということだ。(中略)
では、保守が停止したり、サポートが切れた場合、ユーザー企業はどういう選択を採るのか。
サーバなどのハードウェアでは「業務システムの機能拡張、再構築などの大きな更新に合わせて
予算を取り(対応を)実施した」という企業が33%で最も多かった。
ソフトウェアやアプリケーションパッケージでも同様の傾向だが、
同時に「システムを凍結し、新たな変更、改良を行わず、そのまま使っている」という企業も
ソフトウェアで28%、アプリケーションパッケージで30%あった。
JUASが行ったインタビューでは基幹業務システムについて
「基本的には経営モデルと合わなくなるまで使い続ける」「アプリケーションは永遠だという考え方でやっている」
などの声が聞かれた。
新しいハードウェアは一般的に過去のハードウェアと比較して低価格になっているが、
「ハードが安くても動作確認テストのコストが膨大で困っている」
「ひとつを換えると芋づる式にあらゆるところの更新を迫られる」などの指摘があった。(以下略)
ソース
URLリンク(www.atmarkit.co.jp)