08/04/11 23:35:52
厚生労働省は10日、民主党の厚労部門会議で、4月から75歳以上の全員が加入する後期高齢者
(長寿)医療制度に関し、低所得者の保険料がこれまでより上がる事例があることを明らかにした。
厚労省はこれまで「一般的に低所得者は負担が軽減される」と繰り返しており、民主党は「国民を
だましている」と批判している。
保険料が上がる低所得者は、東京都内や名古屋市など都市部で国民健康保険(国保)に加入して
いた高齢者。
これまで財政が豊かな都市部の自治体は、国保会計に税金を多く繰り入れて保険料を低く
抑えていたが、新制度は都道府県単位となり、市町村独自の軽減策を続けることが困難になった
ためだ。
東京23区では、年金が年間300万円台以下の人はおおむね保険料が上がり400万円台以上の人は
下がる。年金が厚生年金平均額の年間約200万円の単身の場合、国保の保険料は年間約3万2600円
だったが、新制度では年間約5万3800円となる。東京都の市町村ではほとんどの所得層で上がる。
名古屋市でも単身で年金が年間153万円までなら国保保険料は免除されていたが、新制度では
保険料が年間1万2000円となるなど、低所得者で上がり、高所得者で下がる。
■高齢化…保険料さらに重く
後期高齢者(長寿)医療制度で、厚生労働省は10日、加入者が支払う保険料が2015年度には
全国平均で現在の年間7万2000円から1万3000円増え、8万5000円に上がるとの試算を明らかにした。
7年後に月額で1000円強増えることになる。
保険料の負担割合は現在、75歳以上の医療給付費の10%。現役世代の負担を緩和するため、
高齢者の保険料の割合を10・8%までアップするとの想定で算出した。
75歳以上の人が医者にかかった場合、本人の窓口負担が原則10%で、残りの費用(医療給付費)
のうち50%を税金、40%を現役世代の保険料から拠出する支援金、10%を高齢者の保険料で賄う
仕組み。
75歳以上の人口は現在約1300万人だが、15年度には約1600万人になると推計される。
しかし一方で、若年人口は減少する見込みで、高齢者と現役世代の負担割合を現在の
「10%対40%」に固定したままでは、現役世代の1人当たりの負担が大きくなる。負担増を半分ずつ
分け合い、高齢者の保険料も上がる見通しだとしている。
保険料の試算は、厚労省が2006年に医療制度改革の制度を設計した際にまとめたもので、
その後、高齢者医療費の伸びが試算時よりも上回っていることから、15年度の保険料は8万5000円
よりもさらに上がる可能性が高い。
▽News Source TOKYO Web 東京新聞 2008年4月11日朝刊
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)
▽厚生労働省
URLリンク(www.mhlw.go.jp)