08/04/04 12:36:54
★ネット規制にばく進する自民党 「有害情報」を流せば懲役刑も
自民党の内閣部会(松村龍二部会長)と青少年特別委員会(高市早苗委員長)は先月後半、
合同部会を開いて、18歳未満の青少年がインターネットでセックスや暴力などの有害情報に
アクセスするのを防ぐ「有害情報の規制」法案をとりまとめた。
そのポイントは、
(1)内閣府に設ける青少年健全育成推進委員会に「有害情報」を判定する権限を与え、
(2)有害情報の排除のため、同委員会や総務大臣、経済産業大臣に、インターネットサービス
プロバイダーやサイト管理者に対する立ち入り検査や、削除命令を出す権限を付与、
(3)命令違反者には、1年以下の懲役刑や100万円以下の罰金といった刑事罰を課す―
ことなどである。
ただ、法案を取りまとめる論議が拙速だったうえ、できあがった法案も重要規定の多くを政省令に
委ねる乱暴な内容だ。規制対象が青少年向けの情報にとどまらず、大人も含めた国民の「表現の
自由」と「知る権利」を阻害する恐れが非常に強いという問題もある。今後、社会的な批判を
呼びそうだ。
■自民議員からも法案に問題指摘の声が相次ぐ
同法案によると、規制の対象になる「有害情報」を、
(1)性に関する価値観の形成に著しく悪影響を及ぼす情報、
(2)著しく残虐性を助長する情報、
(3)犯罪、自殺、売春を誘発する情報、
(4)心身の健康を害する行為を誘発する情報、
(5)心理的外傷を与えるおそれがあるいじめ情報、
(6)非行又は児童買春等による青少年の被害を誘発する家出情報
―の6つと定義。具体的には、前述の青少年健全育成推進委員会(以下、「青少年委員会」)の
規則で「青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるものとして定める基準に該当するものを
いう」としたうえで、実際の判定を青少年委員会に委ねるとしている。
そして、パソコンや携帯電話向けのインターネットサービスプロバイダー、ウェブサイトの管理者、
携帯電話会社、フィルタリング関係者、機器メーカー、インターネットカフェ業者などを直接的な
規制対象とし、青少年の有害情報へのアクセスを困難にするフィルタリング機能を整備すること、
有害情報が流れる可能性がある場合は当該サイトを「会員制サイト」に移行すること、有害情報を
削除することなどを義務付ける。
一方、これらの事業者と、事業者の遵法状況を監視する権限が付与されるのが、青少年委員会、
総務大臣、経済産業大臣の3者だ。3者には、是正命令、立入検査、報告徴収など強大な監督
権限が与えられる。また、青少年委員会関係者が守秘義務に反した場合や、これらの事業者が
有害情報の削除義務などを怠った場合に、刑事罰を課す規定も盛り込んだ。
ただ、出席した関係者によると、内閣部会と青少年特別委員会が3月19日に開いた合同部会では、
同法案に対し「有害情報の定義が困難」「現状のフィルタリングの義務化は時期尚早」「個人の
ウェブ管理者にまで多大な負担を負わせるもので、インターネット活動を萎縮させる」「悪意の
発信者が悪意の書き込みによって、次々と(一般の)サイトを閉鎖に追い込む事態を招きかねない」
「予算や人員の検討が不足している」といった問題指摘の声が相次いだらしい。
>>2に続く
URLリンク(diamond.jp)